コラム

あまり知られていない、白内障の手術と合併症

年間150万件以上もおこなわれる白内障の手術。「簡単な手術だから日帰りでしてきちゃった」と耳にしたことがありますが、実際のところ本当でしょうか。
今回はあまり知られていない白内障手術の施術法と、発症の可能性がある合併症についてお話しします。

【目次】 − 前編 −
白内障の手術と手順
白内障手術のしくみ
麻酔による手術前合併症

白内障の手術をすすめられたとき、手術の副作用や合併症などについて執刀医の説明をすべて覚えていますか?
『手術』という言葉に頭が真っ白になってしまい、緊張で情報が頭に入りにくくなるかもしれません。
しかし白内障の手術には副作用や合併症があります。自分がどのような手術をおこなうのか把握するために、術前説明をきちんと聞いておくようにしましょう。

白内障の手術と手順

白内障は、進行の段階に応じて初期、未熟、成熟、そして過熟の4つの段階に分類されます。 症状が進行するにつれて合併症のリスクが増加し、特に過熟段階では緑内障や手術による合併症が起こる可能性が高くなります。

手術の前
白内障手術前には全身検査が必要です。例えば、糖尿病の場合は血糖値、高血圧の場合は血圧値を確認し、可否を判断します。 高齢者が多いため、糖尿病や高血圧など全身合併症の有無も考慮され、必要に応じて他科と連携して手術を計画します。全身状態が良くない場合は、手術が延期されることもあります。

 

手術の方法
超音波白内障手術が主流です。約3ミリの穴から器具を眼内に挿入し、濁った水晶体を破砕し吸引、レンズを挿入します。成熟、過熟白内障では創口が広くなり、術後の炎症も強くなります。

 

麻酔について
局所麻酔と全身麻酔の2種類があります。白内障手術では一般的に局所麻酔が使用されます。局所麻酔は点眼麻酔後に麻酔薬を眼周囲に浸潤させるため、痛みはありません。全身麻酔は、手術中に安静を保てないと考えられる場合のみ採用されます。

 

手術後の見え方は
術後は遠視になる方がほとんどです。そのため、眼内レンズが必要で、使用するレンズは患者さんの状態や希望に基づいて選択されます。度数はコンピューターで計測し、遠方または近方、レンズによっては両方に焦点を合わせることができ、メガネを使わずに生活できる人もいます。

 

白内障手術のしくみ
白内障の手術は、技術の進歩により簡単な手術だと考えられがちですが、どんな手術であっても合併症や失敗のリスクがあります。 合併症は、おもに手術中と手術後に起こります。

 

麻酔による手術前合併症
麻酔による手術前の合併症には次のようなものがあります。

球後出血
手術中に眼球の後ろで出血が起こることがあります。これが起きた場合は手術を中止し、数日から1週間後に再度手術を行います。ほとんどの場合、球後出血は一過性で視力に影響しませんが、まれに視力障害の原因となることがあります。

 

アレルギー反応
麻酔薬や抗生物質などの薬剤に対するアレルギー反応が起こることがあります。これらアレルギーによる合併症はまれですが、発生した場合には適切な対処が行われます。

後編は、手術中や術後に起こる合併症についてお知らせいたします。

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