コラム

高血圧に薬は必要?薬なしの高血圧対策で動脈硬化を予防しよう

「年齢的に少し血圧が上がってきたから、血圧のお薬をもらって飲んでいるの」
「特に高血圧というわけじゃないけど、念のため、一番弱い血圧の薬を処方されました」
60代以上の方とお話ししていると、たまにこんな話を耳にします。

その血圧の薬、本当に必要でしょうか?
病気と診断されていないのなら、なおさら疑問です。

今回は、薬に頼らない高血圧対策の方法を解説していきます。

 

血圧の薬を飲んでも病気は回避できない

高血圧は動脈硬化や心血管、脳血管などの血管疾患のリスクが高まると言われています。

しかし、血圧を下げる薬で心血管疾患や死亡のリスクを防げるわけではないことが分かってきました。

ここで、高血圧の薬を飲んだ場合と飲まなかった場合の疾患や死亡率を、15年間追跡調査したデータをご紹介しましょう。

対象となったのは、治療群と未治療群とも1万9143名ずつ、心血管リスクのない中等度の高血圧と診断された人たちです。

出典:James P. Sheppard et al. Benefits and Harms of Antihypertensive Treatment in Low-Risk Patients With Mild Hypertension: JAMA Internal medicine. 2018; 178(12): 1626-1634.より一部改変

上の結果を見ると、死亡者数も心血管疾患数も治療した人の方が少し上回っています。統計的には誤差の範囲ですが、つまり中等度の高血圧の人は薬を飲んでもリスクが変わらないということです。

降圧薬の怖い副作用

さきほどの調査では、「低血圧」「失神」「急性腎障害」などの症状についても統計をとっています。

その結果、飲まなかった人と比べて、服薬した人の方がこれらの症状が明らかに増えていました。

薬を飲んでも心血管疾患や死亡のリスクは減らないのに、低血圧や失神、腎臓の障害などデメリットばかり…。

時間を割いて定期的に医師の診察を受け、高い医療費と薬代を支払う意味はあるのでしょうか。

「高血圧を放っておくと大変なことになりますよ」と言われ、高血圧対策をするのであれば、薬を飲むよりもまずは生活習慣を見直すことが先決です。

薬よりもまず生活習慣を見直そう

軽度から中等度の高血圧の場合、薬を飲むメリットがあるとは言えませんが、放っておくのは賢明ではありません。

そこで必要となるのが、薬に頼らずに血圧を下げる対策です。

まずは「高血圧は病気である」ということをしっかり認識しましょう。

ある調査で、自分が高血圧という病気であると認識し薬を飲まない人は、投薬治療をしている人よりも生活習慣が改善し血圧が下がる結果になりました。高血圧を自覚し薬を飲んでいる人は、薬に頼ってしまっているのか、生活習慣が悪化しています。

また、高血圧を自覚せずに薬を飲んでいる人も同様に、血圧が高い結果となっています。

たとえ薬を飲んでいても、生活習慣の改善なしでは何も解決しないのです。

薬に頼らず高血圧を治すために

高血圧を薬に頼らずに治すことは、医療費や病院に行く時間も節約できて、経済的にも効率的です。

ぜひ、これまでの生活習慣を見直し、健康的な生活を習慣にしていきましょう。

  • 体重が重い人は体重を落とす。
  • 太極拳やヨガなどのゆっくりとした運動を、無理のない範囲で行う。
  • 良い環境で育てられた新鮮な野菜をたくさん食べ、精製された穀物を避ける。
  • 加工食品や豚・牛の肉は避け、鳥肉や魚を食べる。
  • タバコを吸っているなら禁煙する。
  • 深呼吸をする。
  • 起きたときと寝る2時間前、コップ1杯(200ml)の水を飲む。
  • 一日6時間~7時間の良質な睡眠を心がける。
  • 早寝早起きする。
  • 口の中を清潔に保つ。
  • ときには電子機器と喧騒から離れ、自然の中で自然の音を楽しむ。

 

これらの改善習慣を行うだけで、高血圧だけでなく、糖尿病や動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞など、さまざまな病気の予防につながります。

思い立ったが吉日です!

ぜひ、この瞬間からチャレンジしてみてください。

 

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