「バイオハック」という健康方法が近年、注目を集めています。「バイオ(生体)」&「ハック(コツやノウハウ)」という言葉のとおり、自分の体の状態を知り、さまざまな方法で最適な状態にしていくことが目的です。
つまり「これさえすればよい」という健康方法ではなく、自分の状態に合わせて多方面から健康にアプローチしていきます。
今回は、体と脳を最適化し、少しでも健康寿命を伸ばすためにできる「バイオハックのはじめ方」についてお伝えします。
誰もが実践できるバイオハック
バイオハッカーには財力のままに体に良いということを片っ端から試し180歳まで生きようとしているアメリカの大富豪や、自分の体にマイクロチップやセンサーを埋め込むという先進的なことを試す人もいるというから、驚きです!
「そんな健康方法、自分にはぜったいムリでしょ」なんて、あきらめないでください。
近年は、睡眠の質や運動量がスマートフォンでも簡単に分かるようになりました。スマートウオッチなどのデバイスも手頃な価格になりつつあります。また、テクノロジーが不要なバイオハックも存在します。
こういったツールで自分の健康状態を認識し、脳や身体が本来持つ能力をもっと引き出すための方法を試すことこそがバイオハックなのです。
バイオハックの鍵は細胞内のミトコンドリア
私たちの健康状態は、全身の細胞にいるミトコンドリアと深く関わっています。
ミトコンドリアの働きは、エネルギーを作り蓄え調整することです。
ミトコンドリアが十分に働けず、体内のエネルギーが不足した状態が続くと、脳と体のどちらも最適な機能を果たせず、精神的にも辛く充足感のない状態となるでしょう。
つまり、脳・体・心のどれを最適化するためにも「ミトコンドリア」はとても重要です。
バイオハックを始めるには?
① 目標と動機を決める
健康の目標と動機を認識します。最適化したいのは体のどの部位か、精神面かなど、自分を観察してみます。また、どうすれば最適化できるかも調べ、方法を決定します。目標がたくさんある場合は、優先順位を決めて上位3位までの目標リストを作ります。
② 弱みを明確にする
既往歴や家族の病歴、今の健康状態を自分でどう思っているかを整理してみましょう。自分の弱みを知ることで、優先的に対処しなければならない問題が明確になります。
③ 健康状態を数値化する
心拍数・血圧・体温・体重を測定します。また、健康診断の結果もしっかりと受け止めます。
④ ここまでで把握した内容を検証する
これまでの情報を整理し、自分に合った行動計画を立ててみます。どんな計画を実践したら、どんなふうに数値が変化したのかを後で確認できるように、まとめて保管しておくのが理想的です。
⑤ 最適化する方法を実践する
いよいよ導き出した最適化のための計画を実践していきます。生活習慣を変えたり、治療を受けたり、食生活の見直しなども含まれます。健康のために身につけたいこと、やめなければいけないことを自分で選び、習慣づけていきましょう。
⑥ 実践した計画の進捗を分析する
症状の改善や数値の変化などを分析し、①〜⑤までの進捗を理解します。こうすることで、自分にとって何が効果的だったのか、何が不必要だったのかを突き止め、計画の修正が可能です。
理想的な習慣を作ろう
朝晩に実践する習慣をリスト化することもおすすめです。下記のリストの中から、ライフスタイルに合いそうなものをいくつか選んで実践してみましょう。
朝
呼吸法 |
夜 午後7時ごろまでに夕食を済ませる
|
「完璧な健康」に執着しない
バイオハックを行う際は「完璧」に執着しないことが大切です。栄養やカロリー、運動、体重、睡眠などさまざまなことを分析することに執着してしまい、少しでも数値が目標とは逆方向に向かうと不安症状を起こしてしまうケースがあります。
数値にばかり固執せず、異常なこだわりや不安症状のサインはないかなど、自分の状態を把握するように注意しましょう。
こんにちは、健康管理士・腸内環境管理士の中谷です。三姉妹の母で、毎日にぎやかに過ごしています。楽しみは美味しいお酒と観葉植物を育てること。美酒を作る発酵の力と、植物が持つ癒しのパワーを日々実感中です。植物で大切なのは根っこですが、人間にとっての根っこは腸。腸にまつわるお話や、健やかに過ごすヒントなどをお届けします。ぜひ、ご一読いただければ幸いです。