最近、「閉塞性動脈硬化症」になる方が増加しています。と言われてもピンとこない人がほとんどでしょう。
じつは10人に1人はかかる病で「末梢動脈疾患」とも呼ばれ、悪化すると足の切断や命に直結します。とくに高血圧、糖尿病、高脂血症といった持病を持たれている方は要注意です。
初期症状を見逃さず、必ず回避して下さいね。
こんな経験ありませんか?
歩いていたら、腿やふくらはぎが痛くなって歩けなくなった。ちょっと休んだらまた歩ける。この繰り返しは、「閉塞性動脈硬化症」の典型的な初期症状の一つで、「間歇性跛行(かんけつせいはこう)」の段階です。
一時的だろうと考え、湿布やマッサージをしたりする人がいますが、動脈硬化で血管が詰まり、筋肉の酸素や栄養が不足して発症するので、その痛みは再びやってきます。
進行すると「安静時も痛みや痺れを感じる」ようになります。悪化すると潰瘍ができ、足の切断にいたることもあります。
初期症状を見逃さない!
「歩くと痛くなる⇨休むと歩ける」は、閉塞性動脈硬化症の初期症状ですが、ある要因が隠されています。それが『冷え』です。
冷えは女性に多いと思われがちですが、中高年の男性も動脈硬化による自覚症状のない冷えが起きます。血流の悪化により、体が暖まりにくくなるのが原因です。
実際にこの閉塞性動脈硬化症の患者さんは女性よりも男性に多いので、「冷え」とくに下半身が冷える場合や今まで冷えを経験したことが無い人が『夏の冷房で足元が冷たくなってクーラーが苦手になった』、『冬、暖房をしていても足元に冷気を感じる』という症状を感じたら要注意です。
血流の悪化で筋肉に酸素と栄養が届きにくくなり、痩せてくることがあります。手足の指の腹部分が以前より凹んでいたり平らになった、手足の甲の肉が落ちてスッキリした、という場合も注意が必要です。
上記のチェックと併せ、不安があれば、循環器内科を受診しましょう。
足首と手首の最高血圧を同時に計るだけの簡単な検査です。
<足より手の血圧が高いと危険!!>
健康な人は、手より足の血圧が一割ほど高いのが普通です。しかし、手の方が高い場合は、閉塞性動脈硬化症を起こしており、血管の内径が通常の2~3割になっているかもしれません。
全身の血管が脆くなって・・・
閉塞性動脈硬化症と診断された段階で、脳・心臓も動脈硬化が起きており、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高くなっています。
閉塞性動脈硬化症の5年生存率は大腸ガンとほぼ同じ約70%。その割に病名が知られていないのは、脳卒中や心筋梗塞の病名で亡くなる人が多いからです。
「足が冷える」、「ちょっと痛むだけ」と軽視せず、検査を受けて下さいね。
日々の運動と旬の果物・野菜で予防!
血管の老化である動脈硬化は誰にでも起こりますが、その速度は人によってかなり違います。日頃からの健康習慣で動脈硬化を食い止めることが、閉塞性動脈硬化症の予防につながります。
日々の運動と旬の果物・野菜をから積極的にフラボノイドなどの抗酸化成分を摂り入れて血流の改善に役立てましょう。
また、今回ご紹介する「ゾンビ体操」もお勧めです。
健康管理士の松渓(マッケイ)と申します! 若い頃はスキー三昧の日々を送っていましたが大ケガをして引退。そこから健康のありがたみに目覚めました。皆さまの日々の暮らしに「ちょっと役立つ」情報を随時発信していきますので、参考にしていただければ幸いです。
残念ながら、25年ほど健康関連の業界に身をおく私からすると、世にあふれる健康情報の中には「?」と首をかしげたくなる内容も。そのため、つい辛辣な言葉もでてしまうことがあると思いますが、どうかご容赦くださいませ。