コラム

減薬のすすめ

いつのまにか薬漬け!

ご自宅に、いざという時のための風邪薬や胃腸薬、鎮痛剤や下痢止め、傷薬などを常備されていますか?

日本では、誰もが気軽に市販薬を買うのが当たり前になっています。
では、これらのお薬を、どれくらいの頻度で使われていますか。

「片頭痛がつらいので、鎮痛剤が欠かせない」

「花粉症の季節なので、薬は手放せない」

という方も多いことでしょう。

これらは街のドラッグストアで簡単に手に入るので、「なくなりそうになったらすぐ補充」することが習慣化していると思います。

また、市販薬とは別に、病院から処方された薬を常用されてはいませんか。
持病がある方や高齢の方は、処方薬を飲むのが日課になっていることでしょう。

さまざまな薬が日常生活に浸透し、服用することが習慣になっている方は多いとは思いますが、薬は毒にもなりうるものです。

副作用で年間数万人が犠牲に

トロント大学の研究報告によると、アメリカでは年間推計10万6千人が薬の副作用で死亡しており、日本でも6万~10万人の方々が副作用の犠牲になっているのだとか。

残念ながら、日本人の薬に対する抵抗感はかなり低いのが現状であり、それは一般市民にも医療関係者にも共通する傾向といえそうです。

病院でも、風邪をひいた子どもには抗生物質、血圧が少し高いと思えば降圧剤、眠れないといえば睡眠導入剤……と、次から次へと薬が処方されています。

薬のリスクは、大きく4つ

「薬」にはいったいどんなリスクがあるのでしょうか。

その主なポイントは以下の4つです。思い当たるフシはございませんか?

①副作用は必ずある

薬は化学合成物であり、人体にとっては異物です。

この合成物、症状には「効く」のですが、副作用も必ず発生します。身体に悪影響を及ぼせば、その薬は「毒」です。

何種類もの薬を体内に入れれば化学物質どうしの反応も複雑かつ予測不可能になり、命にかかわる副作用も起こりえます。

②だんだんと効かなくなる

薬を飲み続けるうちに、身体がその薬に慣れてきて効かなくなります。

結果、「1錠では効かないから2錠」と量を増やせば、副作用の危険性も高まります。

③酵素の働きが弱まる

食べ物を消化したり、皮膚や血液をつくるために代謝したりと体内で働く「酵素」。

薬を飲んだ時には、解毒のためにもフル回転。すると「通常業務」に手が回らなくなれば代謝が下がり、体温や免疫力が低下する結果に繋がります。

④身体の声にフタをしてしまう

熱や痛みや炎症は、「身体に問題が起きています」というアラームであり、その異常を治そうとする働きでもあります。

これを薬で抑えるのは、身体のSOSを無理やり黙らせるようなもの。

症状だけを抑えても問題は解決せず、いつか大きな健康障害として顕在化する可能性があります。

薬の専門家にも積極的に助言をもらいましょう

実は、薬は急性の症状を抑えるものであり、長期間服用する薬は慢性症状を「治す」ものでなく、むしろ危険性が増す側面もあるのです

私たち日本人は薬に対する抵抗感が非常に低く、薬には副作用があるという意識が欠落している方がほとんどです。

処方されるがまま、何種類もの薬を飲んでいる「多剤服用」の方も多いのです。

低額で医療を受けられる日本の国民皆保険制度のもと「お得だから、たくさん病院に通おう、薬をもらおう」と考えがち。

もちろん、患者想いの良い医師も多いですが、残念ながら薬をたくさん処方して収入を多く得ようとする医師もいるため、注意が必要です。

薬をもらうときには、その薬がどう働き、症状を抑えるのか、どんな副作用が起こりうるのかを、医師だけでなく薬の専門家である薬剤師にも積極的に聞く習慣が必要といえるでしょう。

 

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