コラム

減薬のすすめ②

飲み続けると臓器が傷ついていく

前回『減薬のすすめ』でもお伝えした通り、薬は化学合成品であり、食品ではありません。

しかも、ほとんどの薬は、石油から作られます。素材はプラスチックと同じです。

プラスチックを飲むとなると誰もが拒否するでしょうが、薬と言われれば平気で飲んでしまうのは不思議な話です。

異物が身体に入り込むのですから、副作用が起こるのは想像に難くありませんよね。

最も深刻なものは、臓器への悪影響
どんな薬も腎臓で濾過するので臓器が疲弊します。また、胃に良いはずの胃腸薬が胃の機能を弱めたり、下痢止めが腸にダメージを与えることもあります。

胃や腸を除菌する薬は、腸内細菌をも殺してしまいます。

薬には、よい菌と悪い菌の判断はできず、菌を殺す抗生物質としての役割を、ただ無機質に果たすだけなのです。

消化吸収のサポート、免疫力の増強、病原体の駆除、ビタミンの合成など、身体のために日々働く腸内細菌のバランスが崩されてしまうのは、とても大きな痛手を負うことになります。

市販薬にこそ要注意

膨張し続ける国の医療費負担を削減する意図もあってか、近年、「少しの不調ですぐに病院に行くのではなく、できる限り自分で対処しよう」という「セルフメディケーション」という考え方が浸透し始めています。

セルフメディケーションの方法として、市販薬が推奨されていますが、市販薬にこそ注意が必要ともいわれているのです。

たしかに市販薬の多くは、主成分の量を処方薬の半分ないし3分の1程度に減らしていますが、それはさらに別のリスクを生んでいます。

処方薬は咳なら咳、鼻水なら鼻水と、患者の症状に合わせ処方されますが、市販薬は、そのときに困っている症状以外にも対応する成分が含まれています。そのぶん、不必要な成分が働きますし、副作用の予測もつきづらいのです。

ですので、用法・容量通りに飲めば安全とは言い切れません。

体質には個人差があり、薬の感受性も副作用の度合いも人によって変わります。同じ人であっても、そのときの体調によって反応も違うでしょう。

本当に今、この薬が必要なの?

ここまで一貫して薬の危険性を強調してきましたが、決して、薬のすべてを否定しているわけではありません。

「絶対に飲まない」のではなく、「なるべく飲まないこと」が重要なのです。

薬に依存したり、漫然と飲み続けたりしないようにしたいものです。

薬を飲むときには「本当に今、この薬を飲まないとどうしてもダメなのか?」を考えて下さい。

薬の役割は、急性の症状を抑えることにあります。ひどい熱や痛みや咳など、いつもとは違う急激かつ苦痛な症状があれば、それを抑える当面の策として薬を飲むことは決して悪いことではありません。

もし、血圧があまりにも高い状態ならば血管の状態が危ぶまれますから、降圧剤を飲む必要もあるでしょう。

また、抗うつ薬などメンタル系の薬を飲んでいる場合は、自己判断で勝手に止めてはいけません。

医師の診断のもと、段階的に減薬していく必要があるからです。

いずれの場合も心がけておきたいのは、処方薬をなんとなく受け取るのではなく、その目的やリスクについて、きちんと理解することが大切です。

減薬のための心がけ

医師と薬剤師がつねに患者の情報を共有できるシステムが整えば、処方の安全性を高められるようになるはずです。

薬の数を減らして健康な体を作るには、バランスのよい食事と運動習慣を取り入れることが重要です。

そして、さまざまな栄養素を幅広く摂ることを心がけましょう。

ちなみに、一つの栄養成分が凝縮されたサプリメントを長期間を摂るのは、薬と同様にむしろ有害である場合もあるので注意が必要です。

まずは、日々の食事・運動習慣を大切にしたいですね。

言歩木のお客様に、いくつもの病院から薬を出されており、計15種類を服用され、ときどきふっと気を失うとおっしゃっていた方がいらっしゃいました。

このままでは危ういと思い、まずは、薬剤師さんと相談してくださるよう、お伝えしました。

そのうえで、食生活の改善や運動を心がけるなどの努力を積み重ねた結果、最終的に5種類にまで薬を減らすことに成功され、いまは元気でお過ごしです。

みなさまもぜひ、無理のない範囲で健康的にお過ごしいただければと存じます。

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