コラム

ホールフードで腸内環境を整える

 

東京の地下鉄、JRの路線図の複雑さたるや大変なもので、目的地にたどり着くために私などは乗り継ぎアプリが欠かせません。便利なのか不便なのかよくわからない時代に私たちは生きているのかもしれませんね。

ところで、大都市の路線図よりはるかに複雑な代謝回路が、実は人間の体には備わっています。無数の代謝が複雑に絡み合い、関係性をもちながら、システムとして回っているのです。

その複雑な路線図(代謝回路図)の一つの駅が、栄養素が代謝された化合物で、それらを結ぶライン上に酵素がかかわっているのだとか。なんだか目が回るほどの複雑さなのですが、人体の中にこれほどたくさん路線があると、たとえひとつの経路に遺伝的・栄養的な問題で不具合が生じたとしても予備として迂回ルートを用意できますので、複雑だからこそ安心だというのです。

そして、多数の迂回ルートを確保しておくためには、多種類の栄養素が必要です。

ですから、食材はできるだけホール(丸ごと)いただきましょう。精製された食材というものは、必要な栄養が落とされてしまっています。

現在の栄養療法では栄養素の種類を控えめにして大量投与する手法が一般的ですが、なかには非常に多種類の栄養素を少量ずつ入れるという手法も存在します。ホールフードを食べることはこれに似た発想かもしれません。食べものに微量に含まれた栄養素も取ることができます。

丸ごと食べることで、より多くの食物繊維を摂取でき、腸内環境を良好に保つことができます。果物の皮などは食べにくいですが、複雑な構造の食物繊維だからこそ食べにくく、その分腸内を元気にするのに役立ちます。

ただし、固い食物繊維を消化しやすくするために、よく噛んで食べて胃腸の負担を和らげましょう。

できるだけ多くの種類の新鮮な食材をホールで食べるようにすると、添加物を含む加工品は自然と食卓から減っていき、腸内環境の改善にも役立ちます。

今は亡き祖母は、「おばあちゃんは種ごと食べちゃう!」と言いながらいつもスイカを種ごと食べていましたが、腸内環境の改善のためにはある意味理にかなっていたのでしょうか?そこまでは真似できないなあと思いつつ、やさしかった祖母との思い出に浸る新春となりました。

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