コラム

もしかして低体温?病をひきおこす原因と対処法

いまだに続くコロナ禍、健康のバロメーターに毎日体温を測るのが習慣になった方も増えたと思います。
ちょっと体温が上がっただけで倦怠感におそわれてしまう…なんてことはありませんか。それは“日頃の体温が低すぎる”ことが原因かもしれません。

そもそも何度から低体温なの?
人は環境にかかわらず、体内臓器の温度を37度に保つ恒温動物です。これは生きていくために必要な栄養素を摂取して、代謝し続ける活動温度とされています。
血液は体内の細胞に栄養と酸素を届け、老廃物を回収します。体温が上昇すると、血流がよくなり免疫力が高まります。
しかし体温が下がると血流が悪くなり、当然免疫力も低下します。新陳代謝が下がるので疲労がとれにくくなり、生活習慣病(緑内障・糖尿病・糖質異常症など)にかかりやすい状態になるのです。

日本人10歳~50歳前後の平均体温は36.89度(わき下検温)。人によってかなり幅があるので自分の平熱を知るのも大切です。体温は朝は低く夕方は高く変動するので、起床時・午前・午後・夜に測定し、時間帯ごとに把握するのが理想的。
ちなみに感染症法では、37.5度を発熱、38度以上で高熱と分類されます。

体温は年齢とともに下がっていきます。36.5度以上あると細胞の新陳代謝が活発で免疫力が高く、病気にかかりにくい状態を保つことができるといわれいます。
一般的に低体温は36度以下とされ、新陳代謝の動きが鈍くなります。がん細胞は35度で活性化するといわれていますから、きわめて危険なサインです。基礎体温が低いと脂肪が燃焼しにくくなり、痩せにくい体質になります。

現代人は低体温になりやすいの?
生活習慣から生まれる悪循環低体温になる原因の9割は筋肉量の低下。体内で一番熱を産生する筋肉は、体温の40%以上を生みだします。近代化が進んだ現代では、乗り物や家電の普及などで日常生活の運動量が減りました。運動や労働が少ないと筋肉が使われず衰えていき、熱産生が減り低体温になるのです。

健康維持のために多量な水分摂取や減塩をしている方もいると思います。じつはその生活習慣が低体温の引き金になっていることも。
塩はカラダを温めるだけでなく、生きていくために必要なミネラル源。細胞の浸透圧や体液の酸化、アルカリ性の調整、神経伝達や筋肉の収縮、消化液の材料と大切な役割があります。1日の食塩摂取目安量は成人男性は7.5g、女性は6.5g未満です。過度な減塩は控えましょう。
体内の60%は水分が占めているため、こまめな水分補給を推奨されています。成人が1日に必要な水分量は2.5ℓですが、美容やダイエットでは多量の水を取るようにすすめることがあります。しかし水分の過剰摂取は、体内に排出されない余分な水が溜まり体温低下の要因になります。

また快適すぎる室温も汗をかきにくく低体温の要因に。エアコンを使用する際は適度に調整するようにしましょう。 極端な寒暖差の気温変化は自律神経の乱れにつながります。

仕事や人間関係、さまざまな悩みからストレスを抱えやすい現代。ストレスは体温調節をコントロールする働きのある自律神経の交感神経と副交感神経のバランスを乱し、血管を収縮させ全身の血流が滞る原因になっています。

体温を上昇させる秘訣は?
今日からできる改善方法をご紹介!

簡単にできる予防法
・運動 1日30分のウォーキング
丸1日動かないと筋肉量は0.5%減るといわれています。筋肉量を増やすために一駅離れた駅から通勤したり、バスに乗らず歩くなど、毎日続けられる方法で実践してみてください。
筋トレも有効です。筋肉は下半身に多いのでふくらはぎや太もも、腰の筋肉を使うスクワットは効率よく低体温の予防ができます。

・湯船につかる
ついついシャワーですませてしまう方も多いかもしれません。37~39度のお湯に10分以上つかると、副交感神経がよく働きリラックスします。血管が広がり全身の血液循環が活発になると同時に、ほどよく汗をかくので老廃物が体外に排出されます。入浴後と睡眠前には水分補給をすると、良質な睡眠を促す効果も。

・カラダを温める食材を食べる
食生活も低体温に影響します。食べすぎは胃腸に血液が集中し、筋肉へめぐる血液量が減ってしまいカラダが冷えてしまうので腹八分目を意識しましょう。 冷たい飲み物は避け、薬膳で「温性」にあてはまる食材を積極的に取り入れるのがおすすめです。

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