コラム

いちばん大きい臓器は?

脳や心臓が生きるために重要ということは、みなさんもご存じの通り。ところが、私たちの健康維持や生活の質と深く関わっている臓器は何か分かりますか?

その臓器とは、内臓のなかでも一番大きな器官「腸」です。腸の状態や腸内環境は、便通だけでなく、体全体の健康や人の気持ちにも大きく影響していることが、近年明らかになってきました。

ストレスや緊張でお腹が痛くなった経験ありますよね?腸は自律神経と迷走神経を通じて、脳と深いつながりがあり、お互いに大きく影響しています。

脳からの指令で腸が動くだけでなく、腸からも脳へメッセージを送って、さまざまな体の部位に影響を与えているのです。今思えば、高校時代、数学の試験で赤点を取ったのも、ストレスで腸が痛くなったせいだったのかも(笑)。

巨大な臓器、腸。

腸は、大きく分けると「小腸」と「大腸」の2つで構成されています。さらに細かく分けると大腸は「盲腸」「結腸(上行・横行・下行・S状)」「直腸」に、小腸は「十二指腸」「空腸」「回腸」に分けられます。

胃から運ばれてきた食べ物の栄養を吸収するのは小腸の役割です。小腸の内部にある「絨毛(じゅうもう)」という突起は、さらに細かい「微絨毛(びじゅうもう)」という突起でびっしりと覆われています。

日本人の小腸の長さは約6~8m、大腸の長さは約1.5mです。この大腸と小腸を合わせて広げると総面積は32平方メートルにもおよびます。これはテニスコート1面分に相当する広さ!

普段、腸の大きさなんて、あまり意識することはありませんが、数字で見ると巨大な臓器だと改めて驚きますよね。

1日9リットルも!食べ物の栄養が消化・吸収されるまで

私たちが食べた食べ物は、咀嚼され食道から胃へ運ばれます。胃酸でドロドロに溶かされると十二指腸に送られ、胆のうからは「胆汁」が、膵臓からは「膵液」が分泌され、胃酸とドロドロになった食べ物に混ざります。

すると、アルカリ性の胆汁が胃酸を中和し、脂肪の分解も助けます。潤滑油のような働きもあり「天然の便秘薬」と呼ばれることもあるんですよ。また、消化酵素を含む膵液は、食べ物をブドウ糖やアミノ酸などの栄養素に分解します。

こうして食べ物を消化した消化液は、1日に約9リットルもの量に!牛乳パック約9本分もの液体が毎日腸を通過しているのですね。小腸ではこのうち7リットルを吸収し、残り2リットルは大腸で処理します。

腸内では、腸内細菌たちが食物繊維を発酵して、食べ物からの栄養素をより吸収しやすい形に変えています。また、大腸では消化物から水分吸収し、便を生成していきます。このとき、大腸を通過するスピードが遅いと硬い便に、早すぎると便が軟らかくなってしまうのです。

腸は健康の要!

腸は栄養を吸収し、便を作り出すだけでなく、ウイルスや細菌などの「体に悪いもの」を体内に入れないようにする働きもあります。

そのうえ、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」も、体内で作られるうちの90%が腸で作られていることが最近の研究で分かってきました。
腸の調子を調整するのは、快調に過ごすための超重要なポイントですね!

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