コラム

運動と腸内細菌

「人生100年時代!」
こんな言葉をよく耳にするようになりました。
食事・睡眠・運動を心がけて健康長寿を目指したいところですが、なかなか思うようにはいきませんね。

『死ぬまで若々しく健康に生きる 老けない食事』という本を読んでいたところ、運動について興味深い内容が書かれていたのでご紹介します。

運動とは、「体を強くするため一時的にストレスをかけるという行為」と言えます。
運動により体にストレスがかかると「ストレス応答」という細胞レベルの反応が起こるそうです。このストレス応答により、細胞は機能不全に陥ったタンパク質を分解し、細胞の健康状態を回復させます。

運動ががんのリスクを最小化

体の中に溜まった劣化した細胞成分や機能不全のタンパク質は、放っておくと細胞内に誤った情報をもたらし、がん化を促します。ところが、ストレス応答によって細胞を若返らせれば、がんをはねのけ、若さを保てる、というのです。
さらに、マウスを使った研究では、運動によって新しい心筋細胞の生成が促され、心臓の再生能力を高めることが示されました。

また、足を使った運動は脳細胞を活性化し記憶力を高めるため、アルツハイマー病のリスクも劇的に減らすことがわかっています。動物好きな私は「犬を飼って散歩をすれば健康にもいいんだろうなあ~」と思いつつも、いざ毎日の散歩となると大変そうで結局飼うのを躊躇してしまうのがいつものパターンとなっています。

運動が腸内細菌叢を変える

運動によって腸内細菌の数と多様性を増やすということがわかっています。この結果、免疫力の向上、がんや関節炎・心臓病のリスクを大幅に減らせるばかりか、腸内環境が整うことにより、快楽ホルモンであるエンドルフィンが分泌され、幸福感が高まるとのことですから運動をしない手はありませんね。

しかし、注意が必要なこともあります。
運動、とくにランニングのような有酸素運動には「やりすぎ」という場合があります。


マラソンなど、筋肉量が急激に減少するような運動は、ときに右心室の心臓細胞を死滅させることがあり心臓にダメージを与え、長寿に悪影響を及ぼす恐れがあります。一時的なストレスは良い影響を与えますが、長距離走は心臓への負担が大きすぎる場合もあるのですね。

適度な運動は健康寿命を飛躍的に延ばせることもわかってきていますので、無理をせず適度な運動を心がけることで長寿を目指しましょう。

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