コラム

ダイエット食は新春にあり!

新年のはじまり、正月のご馳走攻めで胃腸は疲れていませんか?
1月7日は「七草粥」、15日の小正月には「小豆粥」を食べる習慣があります。七草は春先の若菜のセリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロで、これらの野草を刻んでお米とともに炊き込んだものです。正月の豪華な食事で負担のかかった胃腸を癒してくれる優れた薬食です。

「その味甘美にして香りよく、よく気を下し、旨をひらき、食気を停滞せしめず、とあるのが七草の効能であり、生命である」と、日本食養道の著者・本山荻舟氏は記しています。人工栽培でいつでも、なんでも食べられる今と違って、雪の中から芽を出す早春の若菜を当時の人々がどれほど待ちこがれていたか。また、こうも書かれています。
「近頃は温床栽培の発達にともない、季節外れの珍奇蔬菜(チンキソサイ)が、いつでも容易に得られるけれども、自然の光に恵まれた野生物におよばぬことは言うまでもない」と。スーパーへ行けば季節外の食材が手に入り、献立のバリエーションも広がります。ただ、気候に合わせて育った旬の食材の働きにはかないません。

お粥は米の6~10倍の水を加えて、お米が柔らかくなるまでじっくり炊き込みます。消化が良く、胃腸に優しい食べ物なので、昔から病人にはお粥と梅干というのが定番です。これは胃腸に負担をかけないばかりか、疲れている胃腸の働きを補い、梅干の解毒効果で肝臓の働きを助ける効果もあるからです。
早春に出てくる若草をふんだんに入れた七草粥は、血流の流れをよくし、豊富な食物繊維がお通じをよくする、最高のダイエット食です。
ダイエットとは言い換えればデトックスのこと。体内に溜まっている余分なものを排出することが先決でしょう。気の滞り、水分停滞、血行不良はすべて余分な老廃物が邪魔しているのです。


「小豆粥」もまた、おいしいデトックス食です。江戸時代、京阪では塩味、江戸では砂糖をかけ甘くして食べていたようです。小豆の赤色は一年の邪気をはらい、万病を除くと昔から言い伝えられています。江戸時代より毎月1日と15日に小豆粥・小豆飯を炊く習慣がありました。いまでも地方によっては食べ続けられています。

日本の風土は湿気が多いのが特徴です。夏は気温が高く、湿度が多い中では汗が十分に発散されないため、ジトジトしていてスッキリしません。汗で排出しきれない水分は尿で補うことになりますが、その働きが十分でないと、体内に余分な水分は溜まった状態になります。これが【むくみ】です。そのむくみを解消するのが利尿作用の高い小豆というわけです。汗も尿も溜まりがちな日本人にとって小豆はなくてはならない食べ物なのです。その小豆をお祝い事のお赤飯に、1日と15日の小豆粥、さらに和菓子のあんことして美味しく食べて健康に過ごす知恵と方法を残してくれた先人の教えに学び、実行することが大切でしょう。

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