コラム

沈黙の臓器、膵臓。膵炎を徹底解明!

突然、身動きの出来ないほどの激しい腹痛が!もしかすると、それは急性膵炎かもしれません。 膵臓は自覚症状が出にくく画像検査でも診断が難しい沈黙の臓器なのです。

お腹の一番深いところにある臓器

膵臓は胃の後ろに位置する約15㎝の細長い臓器です。体内で作られるどの消化液よりも強力な膵液を分泌します。 膵液は膵管を通って十二指腸に送り出され、食物の消化を促進します。また膵臓は血糖を調整する働きも担っており、インスリンやグルカゴン、ソマトスタチンといったホルモンを分泌しています。


私たちの体内で膵臓は非常に重要な役割を果たしていますが、肝臓と同様に「沈黙の臓器」ともいわれ、病気が進行するまで自覚症状がほとんど現れません。 さらに画像診断でも他の臓器の影に隠れて見逃されることがあり、病変を早期に発見することは困難です。

膵臓の病気の主な原因は

膵臓の病気で多いのは、膵炎、膵のう胞、膵臓がんです。 膵炎は重篤な場合は入院となり、最も重症な状態になると死に至ります。 主な原因は飲酒や脂っこい食事、食べ過ぎやストレス、喫煙など、いわゆる生活習慣病に関わるものばかりです。次のチェックリストであなたの危険度を調べてみましょう。

膵臓病の代表 「急性膵炎」

急性膵炎は膵臓の代表的な病気で激しい痛みを伴います。 この時だけは沈黙の臓器も大きな悲鳴を上げます。もっとも患者さんは悲鳴すら上げられないほどの激痛に苦しむことになるのですが・・・。
堪え難い激痛は、分泌される膵液が急に増加して、膵臓が自分自身を消化するために起こるものです。まれに「我慢できる程度の痛み」で終わる場合もあります。 急性膵炎の主な原因といわれるのは次の2つです。

①アルコール

膵炎はアルコールが原因!とよくいわれますが、じつは因果関係はあまりわかっていません。
一説では、アルコールが分解される際に生成されるアセトアルデヒドなどが、膵臓の細胞に悪影響を与えるのではないか? と考えられています。

②胆石

胆石の移動も関係しています。 胆嚢は胆管を通じて十二指腸に胆汁を送り出しますが、膵液の出口と共通の穴となっています。胆嚢から落ちてきた胆石が出口を塞ぐと、膵液が逆流して膵臓を溶かしてしまうのです。 その他に高脂血症や薬、喫煙も発症の原因となることがあります。

胃炎と間違えやすい膵炎

急性膵炎の典型的な症状はみぞおちの激痛です。また、膵臓の位置が背中に近いことから、左の肋骨のすぐ下や、左の肩甲骨付近から左の背中の肋骨の下あたりに強い痛みが出ます。 その他、吐き気や嘔吐、発熱といった症状も見られることがあります。

後編は治療法について配信いたします。

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