コラム

食習慣と心の健康①

「なんとなく気分がすぐれない」「最近、眠れなくなった気がする」など、みなさま心の不調(メンタルヘルス不調)はございませんか?
ストレス社会と言われて久しい現代社会。ここ数年、メンタルの不調を抱える人は増加傾向にあります。

実は、その人にとって何がメンタルヘルス不調の原因なのかは、社会的要因だけでなく、個々人の生活習慣によるところもかなり大きいのです。
『メンタルを強くする食習慣』の著者によると、メンタルヘルス不調を乗り越えるカギは、食習慣も含めた生活習慣と心持ち(=マインドセット)にあるそうです。
この本では、理想的な生活習慣と心持ちについて豊富な記述がありましたので、数回に分けて特に役立つ部分をご紹介したいと思います。

エネルギーを十分につくる鍵はミトコンドリア

ストレス社会の現代では、ストレスの要因を取り除くことも大切ですが、「体内にエネルギーを十分につくってストレスに負けないための対策」も必要になってきます。

ミトコンドリアの主な働きは酸素を使ってエネルギーをたくさんつくること。  私たちは、体を動かしたり食べ物を消化したり、いろんなことにエネルギーを使っていますが、そのエネルギーを生み出しているのが、ミトコンドリアなのです。
ミトコンドリアは細胞の中で、まるで体の持ち主とは別の生き物のように分裂・増殖を繰り返しながら存在しています。大きさはちょうど大腸菌などの細菌と同じくらいです。
私たちの脳や筋肉、肝臓、腎臓などの代謝の活発な細胞にはとくに多くのミトコンドリアが存在します。ひとつの細胞に100~数千個のミトコンドリアが所狭しとすみ着いており、私たちの体重の10パーセントはミトコンドリアの重量と言われています。重量的にもビッグな存在ですね。

このミトコンドリアが増えて、元気でいてもらえると、私たちがエネルギー不足に陥ることはありません。ミトコンドリアが活性化するように生きることはもっとも大切なエネルギーへの投資と言えるのです。

ミトコンドリアを元気にする習慣

①適正な体温を維持する

ミトコンドリアの活性温度は37℃のため、低体温により働きが低下してしまいます。適切な栄養に加え、筋トレによる筋肉量の増加も体温の維持とミトコンドリアの機能アップにつながります。

②腹式呼吸

休憩時間などに腹式呼吸(1分間に5,6回のゆっくりした呼吸を数分間おこなう)をおすすめします。効率よく酸素を取り込むことができ、また副交感神経優位となり、抹消循環が改善し、ミトコンドリアにより酸素が供給されやすくなります。

③運動

ミトコンドリアの機能を上げるいちばんの方法はじつは運動です。それだけの動きをするパワーが必要とからだが判断して、ミトコンドリアが増えたり、融合してボリュームが上がり、その機能が高まります。

④サウナ

サウナは、高温と冷水の温度差がミトコンドリアを刺激し、その増加につながります。

ミトコンドリアを元気にする栄養素

5-アミノレブリン酸

生命誕生にもかかわるとされるアミノ酸です。ミトコンドリアの電子の働きにも良い影響を与えます。ちなみにこの5-アミノレブリン酸はコロナウイルスに対抗する成分としても注目されており、主に発酵によってできる成分です。

早起き・散歩・コーヒー禁止でメンタル改善へ

朝は7時くらいに起きて、できれば散歩をしながら朝日を浴びることで体内時計を整えることがメンタルの改善にもつながると言います。

10~30分ほど一生懸命に歩けば筋肉を鍛える効果もあります。なんと人間の筋肉の7割は下半身についているというから驚きです。

ただ、早起きに関して実行するのはなかなか難しいという方もいるでしょう。遺伝子によって朝型か夜型か決まっており個人差がありますから、無理のない範囲で試してみてくださいね。

 

意外と見逃されがちなのが咀嚼です。

よく噛まずに食べるのは、やはりダメなようです。

たとえば肉の塊をポチャンと消化液の中に浸けて十分に消化されるでしょうか? 驚くほど消化されません。十分な咀嚼がなければ、栄養価の高い食べ物も体に負担をかける毒になりかねません。

「食事を楽しむ」ことを、一口20~30回以上咀嚼することとセットで行えるよう工夫してみてください。一生お得な習慣になるでしょう。1回の食事から最高の栄養を引き出しましょう。

コーヒーはやめるべきとのことです。コーヒーはポリフェノールが豊富に含まれており、心臓病や脳卒中、大腸がんを予防する健康効果も報告されていますが、カフェインは交感神経を興奮状態にして体を戦闘モードにするため、消化吸収機能がうまく働かなくなり、栄養の消化吸収がしっかりと行われなくなるのだそうです。コーヒーが好きな方にはなかなか難しいかもしれませんが、とくに不安・緊張を主体とする疾患にはカフェインは有害なため、なるべくコーヒーは避けましょう。

基本的に水分摂取は「水」にすべきといいます。日本は水道水が他国に比べおいしいとしても、塩素消毒が体に良くないため、できるだけ浄水器を使うかミネラルウォ―ターを飲むとなお良いですね。

みなさんもぜひこれらの習慣を取り入れてメンタルの改善をはかり、元気に過ごしてくださいね。

 

評価をお願いします

最近の記事