コラム

健康になる食べ合わせ

出会いと別れの季節、春。花粉症や新しい環境でのストレス、体調にまつわる悩みが増えるのもこの季節。かくいう私も重度の花粉症で、毎年、目のかゆみとクシャミ・鼻水に苦しんでいる一人です。

こういった季節的な不調のほかにも、感染症による病気や生活習慣による体調不良など、健康の悩みは本当に尽きませんよね。

体調管理に欠かせない免疫と腸の関係については、以前「免疫ケアと腸」でお伝えいたしましたが、やはり食事も重要。食べ物の組み合わせ方で、体内にある酵素や腸内細菌などのさまざま働きをアップできます。

なぜ食べ物の組み合わせが「食の効果」に影響するのか?

食事の健康効果は体の中にある酵素がきちんと働いているかどうかで決まります。

私たちは、もともと人体に備わっている消化酵素・代謝酵素に加え、腸内細菌たちが持つ消化酵素・代謝酵素を体内で働かせています。

体内で働いている酵素は数千種類にも及ぶと言われていますが、ひとつひとつの酵素が働きかけるのは基本的に一種類の栄養素や成分だけです。

そこで、栄養素や成分を体内できちんと生かすためには、それぞれの酵素にしっかり働いてもらわなければなりません。目的の酵素の働きを支える栄養素を組み合わせて摂ることで、食べ物の栄養をより目的に合わせて生かすことが可能です。

酵素については「酵素ってなんだろう」のコラムでも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

それでは、健康づくりに役立つ食べ合わせを目的別に解説していきましょう。

免疫力を高める!

豚ニラしょうが炒めで免疫細胞のエネルギーを作ろう

ウイルスと戦う免疫細胞は、体中を駆け巡っているため、たくさんのエネルギーを必要としています。免疫細胞のエネルギーは細胞内のミトコンドリアという器官が働くことで作られており、このミトコンドリアの酵素を助けるのがビタミンB群です。

さらに近年では、ビタミンB1と免疫細胞の関係についての研究もおこなわれているほど、ビタミンB1は免疫機能の維持に重要な栄養素。

そのため、免疫力をアップするためには豚肉などビタミンB1を多く含む食材を継続して食べるのがおすすめです。

また、ニンニクやニラに含まれるアリシンと組み合わせることで、ビタミンB1の吸収が約10倍にアップしビタミンB1の効果アップに。免疫細胞が全身を駆け巡るためのエネルギーをしっかり作り出せます。

美味しく食べて肥満対策

ミトコンドリアを増やして脂肪燃焼!鮭とブロッコリーのホイル焼き

免疫細胞以外の細胞にもミトコンドリアは存在し、糖や脂肪を作り出したり、反対に脂肪を燃焼しエネルギーを作り出す役割があります。

つまり細胞内のミトコンドリアが増え、脂肪を燃焼させる状態にしておけば、より多く脂肪の消費が可能に。そこで、ミトコンドリアを増やす助けとなるのが、ブロッコリーに含まれるスルフォラファンという成分です。

加えて、鮭などに含まれるアスタキサンチンは、ミトコンドリアが脂肪燃焼のスイッチを入れる「AMPK」という酵素の働きを高め、ブロッコリーと一緒に摂ることで脂肪が燃焼されやすくなります。

血糖値の上昇を予防

レジスタントスターチたっぷりのわかめおにぎりランチ

ご飯を冷めた状態で食べられるおにぎりと、海苔やわかめといった海藻類の組み合わせは血糖値の上昇予防にピッタリ。

以前、「ダイエットを助けてくれる〇〇とは?」の記事内でも紹介しましたが、ご飯が冷えると「レジスタントスターチ」という物質が増え、このレジスタントスターチを大腸にいる腸内細菌の酵素が分解することで短鎖脂肪酸が作られます

すると短鎖脂肪酸が腸内の細胞を刺激し、血糖値を下げる働きのあるインスリンの分泌を促すインクレチンというホルモンが増加。

さらに腸内細菌は、海苔やわかめといった海藻類に含まれる水溶性食物繊維からも短鎖脂肪酸を生成します。つまり、おにぎりに海苔を巻いたり、わかめを混ぜて食べれば、さらに効率アップ!

また、ランチにこのおにぎりを食べることで、夕飯時の血糖値も上げにくくなる効果が!

ぜひ、ガッツリしたディナーを食べる予定がある日には、おにぎりランチを取り入れてみてはいかがでしょうか?

私たちの体は腸内細菌の酵素が不可欠!

さきほど、腸内細菌の酵素が腸内で短鎖脂肪酸を生成するとお伝えしましたが、実は腸内細菌の酵素によって、ほかにもさまざまな物質が作られています。

私たちの血液に含まれる40%もの成分は腸内細菌の酵素が作り出したもの。コラム「①発酵と酵素の関係?」で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

私たちの健康のために良い働きをしてくれる酵素たちをしっかり働かせるためにも、さまざまな食べ物を組み合わせ良く取っていきましょう。

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