前回は「若返りの仕組み」についてお話しました。
それでは、身体を浄化する機能「オートファジー」を働かす上で、良いことと悪いことを知っておきましょう!
★★睡眠が不足すると、代謝とオートファジー機能が低下します。
とくに、断片的な睡眠は、睡眠時のオートファジーの作用を妨げます。
★★運動は、筋肉組織と脳細胞のオートファジーを活性化させます。定期的な運動は、血糖値のバランスを正常化させ、炎症レベルを抑え、身体の脂肪を燃焼させます。
デスクワーク中心の生活を送っている人は20分のウォーキングから始め、有酸素運動を習慣化し、次に筋力トレーニングとストレッチを加えていきましょう。
運動習慣がある人は、週に5回、1日30分を目標に。10分×3回でもOKです。
理想は、有酸素運動、筋力トレーニング、ストレッチをバランスよく組み合わせた総合的トレーニングです。
★★オメガ6とオメガ3の比率は、2対1から1対1の間が理想です。オメガ6の比率が高いと、炎症を誘発しやすい体になるだけでなく、様々な疾病が出てきます。
残念なことに日本人の多くが20対1とかけ離れています。お菓子やサラダ油、肉の脂質を避け、魚介類(DHAとEPA)を多く摂り、荏胡麻油や亜麻仁油を選ぶよう意識しましょう。
なお、放牧牛にくらべると家畜牛の肉に含まれる飽和脂肪酸とオメガ6ははるかに多いのですが、主な原因は餌です。
ホモシステイン
これは、血中に存在するアミノ酸の一種です。基準値は、1㍑あたり10.5㍃モル以下です。この数値が高いと、アテローム性動脈硬化、心疾患、脳卒中、うつ病、認知症にかかりやすくなります。コラーゲンの質も低下するので、シワやたるみ、歯周病、骨粗鬆症等の原因になります。
肉や乳製品の摂取量が多いと、この数値が高くなる傾向があります。そうなると、染色体を保護する役目であるテロメアの短縮率が通常の3倍になり、老化がどんどん進んでしまいます。
運動と、「葉酸」「ビタミンB12」「ビタミンB6」などの「適切な」摂取がよいとされるので、野菜や果物はもちろん、肉ではなくお魚の比重を上げるようにしましょう。
なお、サプリは駄目ですよ。(後述)
ヘモグロビンA1c
この数値が高いと、オートファジーのスイッチが入りません。糖の入った清涼飲料水や精製された小麦粉の食材やお菓子は避けて、4.8~5.4に留めておきたいものですね。
抗酸化サプリを摂取すると・・・
フリーラジカルは、体の細胞膜や組織を構成する脂質やたんぱく質を攻撃し、病気や老化の原因になります。抗酸化サプリを摂取するとフリーラジカルを減少させます。話はここで終わればメデタシですが、そうではないのです。
例えばミトコンドリアが変異、または損傷を受けると、自らフリーラジカル(正確には、活性酸素ROS)を放出します。すると、オートファジー機能が働き、回収へと動き出します。
ところが、抗酸化サプリを摂取するとフリーラジカルが減るため、機能不全のミトコンドリアの「リサイクルが必要だ」というシグナルまで弱まり、そのミトコンドリアの除去が妨げられる可能性が高くなってしまうのです。
これは、単一成分の抗酸化物質を研究する学者たちを悩ませる、受け入れがたい現実です。試験管の中では、抗酸化の効果が発揮され、論文もよく目にしますが、人の体、細胞は複雑に連携し繊細です。テレビの健康番組では、そんな話はしてくれませんね。
では、もう少し見ていきましょう。
ホルミシス効果
これは、ある物質が高濃度で大量に用いられた場合は有害ですが、低濃度、微量に用いられた場合に有用な作用をもたらすことです。考えてみれば当たり前のことで、お酒もそうですね。
でもモノだけではなさそうです。スポーツもマッサージも適切な強さで行うから心地よく効果があります。強すぎればスジが傷付きます。
何度かβカロテンやビタミンA、B、C、D、Eのお話したことがありますが、いずれもサプリメントのように自然界ではありえない量の抗酸化物質を長期に摂取すると、肺がんや前立腺がんの発症、あるいはその進行を助長、動脈硬化、白内障など、さまざまな病を呼び込むようになったとの報告があります。
高濃度の抗酸化物質は、細胞の酸化やDNAの損傷を減らすのですが、沢山は欲しくないという細胞や細胞の小器官はこればかりを食べ過ぎて、自覚のない傷が生じます。そのため細胞はオートファジーのシグナルをだせず、傷付いたまま生き残り、役割を果たすどころか、体に悪影響を及ぼし続けてしまいます。
抗酸化物質は少量ずつ、いろいろな成分を摂取するに限ります。野菜や果物、キノコ類に多く含まれます。
現代の食事とは
食事は「喜びや栄養の源」のはず。
ところが2019年、世界の五大医学雑誌の1つと称される『ランセット』に、「全世界の死亡者の死因の2割は、不健康な食事である」との研究発表が掲載されました。その数、毎年1100万人。
喫煙や高血圧が原因で亡くなる人より多いのです。
砂糖や精製された白い穀物、そして塩、家畜肉などの摂り過ぎが、心臓病やがん、糖尿病、認知症などの現代病を引き起こす原因になっています。誘惑に負けないでくださいね。
最近では、オートファジーの働きを高めるため、断食を力説している著書も多く存在します。
18時までに食事を終え、翌日は朝を抜き、昼に食べるというもの。これを週に3日からスタートして、最後は、1~3ヶ月ごとに3~5日間の断食へと、段階を経て進めていこうというものです。
理に適ってはいるのですが、正直、働きながらでは難しく、家族がいれば、一緒に食事をすることのほうが大切です。
途中の管理も難しく、この道のプロが傍にいないと、逆に体を悪くするかも。
以前、覚書で紹介した18時間断食は、腸内の痩せ菌が増え、痩せやすくなるというものですが、続けると腸壁にはあまり良くないというので、週に1回ほどでと書きました。
日頃の食事の量と内容に気を付けて、週に1度の18時間断食を実践した方がよいかな、と思った次第です。
こんにちは!言歩木勤務歴10年のかみやまと申します★
管理健康栄養士などの資格を活用し、日々の健康に役立つ情報をみなさまにお届けできたらと思います。
健康的な生活を目指していますが現実は、よく食べよく呑みよく眠るです。。