コラム

子どものアルコール中毒

子どもとアルコール。接点がないようで意外にキケンな関係なのをご存じですか。
新型コロナウイルスの感染対策に使用頻度が増えたアルコール消毒液を、“噴射したら消毒剤が子どもの目に入ってしまった”
ジュースみたいに可愛いデザインのアルコール飲料を、“子どもが誤って口にしてしまった”などの事故がたくさん起きています。

■アルコールが目に入った
近年多発しているアルコール消毒液の噴射による事故。
子どもの安全に配慮した製品が保育園や医療機関などに最近設置されはじめていますが、大人が注意していても店内などに設置している噴射機は、子どもの目線からは高い位置にあることがほとんどです。
目に入ってしまった場合は、こすらないように注意し、ただちに目を洗いましょう。それでも目を痛みや充血がある場合は、医療機関を受診してください。

■アルコールを誤飲した
子どもは脳が未発達で肝臓や腎臓といったアルコールを分解する機能が十分に働かず、大人と比べて低濃度でアルコール中毒になる恐れがあります。
アルコールの代謝には個人差がありますが、ビールなら100ml、焼酎なら30ml摂ってしまうと危険です。ウイスキーボンボンのようなお酒の入っているものや、スポンジにブランデーなどのお酒がしみこませているケーキなどにもアルコールが含まれているので注意しましょう。

カラダに入ったアルコールは30分から2時間ほどで血中濃度がピークになります。子どもがアルコールの薬理反応で呼吸をしていない、意識を喪失しているときはすぐに救急車を呼んでください。 ビールや酎ハイなど低アルコール飲料を一口摂取した程度なら、牛乳や水など水分を多めに飲ませて様子をみます。
ただし、アルコール自体は吸収されるため体内の分解を待つしかありません。異常興奮状態や血糖症をおこして、ふらつきや立てないなどの症状があれば、やはり救急車を呼びましょう。

様子をみる際、横向きに寝かせると万が一嘔吐しても気道をふさいで呼吸停止になるリスクを減らせます。

意外に知られていない身近な危険
アルコール消毒液以外にもアルコールが含まれる製品は身近にたくさんあります。
マウスウォッシュと呼ばれる消毒用のエタノール、ヘアスプレーやフレグランスなどはアルコール度数が20~70%と高く、ものによっては数ml飲んだだけでも中毒症状を起こします。
日本中毒情報センターによると幼少児は30分間アルコールを6~30mlほど摂取すると命の危険があると注意喚起しています。消毒用アルコール以外は魅力的な香りのものが多いので、必ず手の届かない場所で保管しましょう。

栄養ドリンクにも注意
栄養ドリンクにも微量ですが有効成分を溶かすためにアルコールが入っています。
含まれる成分には腸内環境を死滅させる防腐剤の安息香酸Naや香料など、発がん性の疑いがある添加物を使用しているものがたくさんあります。
育ちざかりや受験勉強中の子どもに、つい飲ませたい方もいるかもしれません。健やかな成長を妨げる栄養ドリンクは避けましょう。

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