日本人の8割が経験する腰痛。みなさんはぎっくり腰になった時、どのように過ごされていますか?
私は海老のような格好で横になり、痛みが収まるまで寝込んでいました……
がっ!最近の研究で安静にしすぎるのはあまり良くないということが判ってきました。
過保護はダメ!! が世界の常識
「ぎっくり腰でも出来る限り普段通り動いた方が治りが良い」。
オーストラリアやイギリスなど西欧の医療機関が調査した結果、腰を痛めて2日以上安静にしていた人の方が、その後の経過が悪いことが明らかになったのです。
ぎっくり腰も同様で、発症してそのまま慢性化する率も非常に高くなっています。
腰痛で通院した人の2/3が、一年後も腰痛に悩んでいるといわれています。
今、世界では、ぎっくり腰をはじめ腰痛は動かしながら治すというのが一般的な考え方になっています。
実際、オーストラリアやイギリス、スコットランドなどでは国を挙げて『腰痛は横になるな』、『腰痛は動いて治す』といったキャンペーンを行い、腰痛患者を減少させ、国の医療費も削減できました。
ただし下表のうち赤信号の腰痛の場合は、医師の診断を受けましょう。
腰痛の原因は何?
正式な医学用語に『ぎっくり腰』という言葉はありません。しかし、悪い病気もなく起きた急性の腰痛を、日本ではぎっくり腰といいますが、西洋では『魔女の一撃』と呼ぶそうです。
多くの人が悩んでいる腰痛ですが、MRIや最新式のレントゲンなどを使って原因を特定できるのは、『赤信号の腰痛』である脊柱管狭さく症や椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、骨粗しょう症など、わずか15%にすぎません。
残りの85%は原因不明ですが、心配する疾病ではない『すごく痛いけど、安心できる青信号の腰痛』です。
ところが腰痛には、悪い病気がないのになぜか重症化した『黄信号の慢性腰痛』が多くあります。
それには体のある部分が関わっていました。
長引く腰痛の原因は「脳」にあり!
私たちの体はぎっくり腰などで骨や筋肉が炎症を起こすと、その情報は抹消神経から脳に伝えられ、「痛い」という感覚を引き起こします。
ところがケガや病気が治った後でも末梢神経が『幻の痛み』の情報を脳へ送り続けたり、他の刺激を誤って「痛みの情報」として伝えたりして、慢性的な『痛みの錯覚』を引き起こすことがあります。
この『痛みの錯覚』こそが慢性腰痛を生み出す正体で、ケガや病気に対する恐怖や不安といった、心理ストレスが原因になっていたのです。
もし、この荷物を持つ絵を見てあなた自身の腰に違和感を感じたら、『錯覚の腰痛』を持っているかもしれません。
でもご安心ください。『赤信号の腰痛』でなければ、次に紹介する「これだけ体操」で慢性化した腰痛を軽減・回復できます。
もし、一度にこの動作が出来なくても、「痛みがあるから何もできない」と考えるのではなく、「痛みがあったけど今日はほんの少しだけど、そることが出来た」と考えて、小さな成功体験を積み重ねると、自信がついてきます。気軽な気持ちで取り組んで下さいね。
健康管理士の松渓(マッケイ)と申します! 若い頃はスキー三昧の日々を送っていましたが大ケガをして引退。そこから健康のありがたみに目覚めました。皆さまの日々の暮らしに「ちょっと役立つ」情報を随時発信していきますので、参考にしていただければ幸いです。
残念ながら、25年ほど健康関連の業界に身をおく私からすると、世にあふれる健康情報の中には「?」と首をかしげたくなる内容も。そのため、つい辛辣な言葉もでてしまうことがあると思いますが、どうかご容赦くださいませ。