「あっ痛たたたぁ!!」 睡眠中に足がつって悶絶。そんな「こむら返り」の経験、一度はありますよね?
ほとんどは数分程度で治まりますが、何度も繰り返したり、痛みが残ってしばらく寝つけないと悩んでいる方も多いようです。
汗をかく時季は、とくに起こりやすいといわれています。
そもそも「こむら」って何?
江戸時代以前、ふくらはぎを「腓(こむら)」といっていた言葉がいまに残り「こむら返り」と言われますが、現在ではふくらはぎ以外の筋肉がつった場合でも使われています。
足がつる原因はさまざまですが、中高年になるとちょっとした軽い運動をしている時や、睡眠中にいきなり襲われることが増えます。
男女比では女性に多く、また性別を問わず60歳以上の6%が『毎晩こむら返りに悩まされている』というショックな報告もあります。
ほとんどが一過性で、数分ほど痛みに耐えれば治まりますが、足のつる回数が増えたり、夜間に何度も発症したりして睡眠障害に陥ることも少なくありません。
なぜこむら返りは起こるのか?
筋肉は限度を超えて伸縮すると組織を痛めてしまうので、伸びすぎを防ぐ筋紡錘(きんぼうすい)と、縮みすぎを抑える腱紡錘(けんぼうすい)の2つのセンサーが制御しています。しかし、何らかの影響で誤動作を起こすと筋肉がキュッと縮み上がって、つってしまうのです。
★なぜ誤作動が起こるのか?
有力視されているのが発汗などによる脱水で、血液中のナトリウムやカリウム、マグネシウムといった筋肉に関わる電解質のバランスが崩れたときに起こるというもの。
発汗・脱水というと夏や日中だけと考えがちですが‥‥‥。
しかし、睡眠中もコップ1~2杯の汗はかきますし、中高年の場合は高血圧の治療で利尿剤を使っていたり、消化不良で下痢が続いたりすると脱水状態となり、知らず知らずと電解質のバランスが乱れていることがあります。
頻繁につる場合は、枕元に水を準備して、こまめな水分補給を心がけましょう。
なぜ睡眠中に足がつるの?
運動をしていなくても日常生活での疲れが蓄積し、筋肉が疲労している可能性があります。
疲れた筋肉は普通なら緩むものですが、寝ているときは自然とつま先が延び、ふくらはぎが少し縮んだ状態になります。
そこでもし電解質が不足していたら?
筋肉の縮みすぎを抑える腱紡錘(けんぼうすい)の働きが低下を起こし、ちょっとしたきっかけでキュッと収縮してしまいます。その一例が睡眠中に見る夢。
夢の中で脳から「歩け」「動け」と筋肉に指示が出た場合に発症することが多いようです。
★もし足がつったら!
まずは収縮した筋肉をゆっくり伸ばします。膝を伸ばした状態で、つま先をつかんで胸のほうに反らしましょう。
手が届かなければ、足の裏にタオルを引っかけて引っ張る、電子レンジで蒸しタオルを作って患部を温め血行を促すのも効果的です。
痛みが治まったら10〜20歩でよいので歩きましょう。ここで動かさないと、2~3日痛みが残ることがあります。
★こむら返りは重篤な病気のサインであることも。
日中になんどもつる、上半身でこむら返りがよく起こるといった症状がある場合は、かかりつけの医師に相談してください。
『こむらん』体操
こむら返りを慢性化させないために1日3~5回を目安に行うと効果的です。
なお、これらの体操をする際、骨粗鬆症、関節、筋肉の疾病をお持ちの方は医師の指示を受けて下さいね。
健康管理士の松渓(マッケイ)と申します! 若い頃はスキー三昧の日々を送っていましたが大ケガをして引退。そこから健康のありがたみに目覚めました。皆さまの日々の暮らしに「ちょっと役立つ」情報を随時発信していきますので、参考にしていただければ幸いです。
残念ながら、25年ほど健康関連の業界に身をおく私からすると、世にあふれる健康情報の中には「?」と首をかしげたくなる内容も。そのため、つい辛辣な言葉もでてしまうことがあると思いますが、どうかご容赦くださいませ。