9千年前から人類に愛され続けてきた酒。
飲むことで緊張がほぐれ、陽気になって会話が弾む、楽しく飲むことでストレスが緩和します。
しかし、日本人は世界で一番酒に弱い人種ともいわれています。ウィズコロナの世界、節度ある飲酒を心掛けたいですね。
アルコール分解酵素を持たない日本人
日本人の多くは、お酒を飲んだ時に肝臓で発生する有害物質、「アセトアルデヒド」を分解する酵素を持っていません。
そのため、比較的少ない量の飲酒でも二日酔いを起こします。
酵素の働きや量は体質なので、お酒に強い弱いは生まれた時点で決まっており、訓練しても変わりません。
日本人や黄色人種は、この酵素を持っている人が少なく、ヨーロッパ系やアフリカ系は100%備わっています。
「百薬の長」って本当なの?
1981年、イギリスのマーモット博士は、「アルコールは血液中の善玉コレステロールを増やし、高血圧、虚血性心疾患、脳卒中の原因である動脈硬化を防ぐ効果がある」とし、「お酒をまったく飲まないよりも、適度に飲む方が死亡率は低くなる」と発表しました。
この説は長らく信じられていましたし、健康管理士をしている私も『お酒が好き』なので都合よく解釈していました。
ところが
アメリカのビル・ゲイツ財団の論文によると、アルコール摂取で健康が得られることはなく、あらゆる病気が飲酒量に比例して右肩上がりとなる。とくにがんにおいては消費量が増えるほど危険度は増大する。
つまり
「健康でいたいならアルコール摂取量は“ゼロ”にせよ」と結論づけているのです。
しかし、この論文の計算だと1日1回たしなむ程度のグループを25000人と考えた場合、全員が年間700mlのジンを16本飲んで初めて1人に健康問題が生じるというもの。
ちょっと無理がありませんか
飲酒は冒頭にも触れたように、ストレスの緩和や社交を促し、人や社会とのつながりを深めることもわかっています。
つまり禁酒も、私のような普段から飲酒を好む人にとっては、社会との繋がりが希薄になって、かえって不健康になる可能性があると言えるかもしれません。
とは言え、飲み過ぎが体に悪いのは事実で、酔いと脳の関係について次のような発表がありました。
酔い=脳の萎縮
アルコールは脳に到達すると、麻酔作用によって脳を麻痺させ、「酔った」状態を作ります。
千葉大学の研究によれば、飲酒量と脳の萎縮には関連があり、「飲酒量が増えるほど、脳の萎縮が進行する」と発表しています。
でもご安心を。この飲酒による脳の萎縮は、断酒することで改善するそうです。
◆二日酔いになったときの対処法◆
残念ながら二日酔いを解消する特効薬はありません。なので少しでも症状が軽くなる方法をご紹介します。
頭痛がひどいとき
頭痛は有害物質、「アセトアルデヒド」が原因。
この物質を早く体外へ排出するには水分補給がカギ。お味噌汁やスポーツドリンク、果汁100%のフルーツジュースがお勧めです。
ブラックコーヒーは二日酔いの胃には刺激が強いので、カフェオレなどミルクを入れるとよいでしょう。
吐き気がひどいとき
二日酔いで起こる吐き気や胸焼けは、過剰に分泌された胃酸が原因なので、早く楽になりたいのなら胃薬の力を借りるのが一番。
食事もうどんやお粥など、消化の良いものを選びます。
また、ラムネ菓子のようなブドウ糖は、味が爽やかで手軽にカロリーが摂取できるのでお勧めです。
最後に・・・
二日酔いを予防するには飲み過ぎないことが一番。
「大人になるということは、自分の酒量をわきまえることさ」
これは私が若かりし頃、二日酔いで頭を抱えていた時に先輩にかけられた言葉。
翌日を無駄にしないためにも、お酒を楽しむ際は、食事やチェイサーを欠かさず、適量で楽しみましょう。
健康管理士の松渓(マッケイ)と申します! 若い頃はスキー三昧の日々を送っていましたが大ケガをして引退。そこから健康のありがたみに目覚めました。皆さまの日々の暮らしに「ちょっと役立つ」情報を随時発信していきますので、参考にしていただければ幸いです。
残念ながら、25年ほど健康関連の業界に身をおく私からすると、世にあふれる健康情報の中には「?」と首をかしげたくなる内容も。そのため、つい辛辣な言葉もでてしまうことがあると思いますが、どうかご容赦くださいませ。