異常気象といわれた猛暑もようやくひと段落。一年の中でもっとも旬の食べ物が多い季節が目の前に迫ってきましたね。
夏の疲れがでやすいこの時期、美味しいものを食べて健康維持したいところ。しかし食事をすると胸がムカムカ、すっぱいものがこみ上げてくる、ゲップが頻繁に出る。こうした症状がある人は逆流性食道炎かもしれません。
逆流性食道炎とは、胃の中に混ざり合った食べ物と胃液が、食道に逆流する胃食道逆流症のひとつ。胃液にはPH1~1.5という酸度の高い胃酸が含まれているため、食道の粘膜が傷ついて炎症を起こします。
かつては高齢女性に多くみられる症状でしたが、近年では男女ともに50歳以上の2~3割を占める“新国民病”といわれるほど患者が増加しているのです。
なぜ逆流性食道炎が急増しているのでしょうか。加齢に伴う運動機能の低下や食生活の欧米化などのほかに、意外なことにピロリ菌感染者の減少も原因のひとつ。ピロリ菌に感染すると萎縮性胃炎を起こし、胃液の分泌量が減り逆流しにくくなります。
衛生環境が整備された現代では、感染者が大幅に減り元気な胃の人が増えました。年を重ねても胃酸が活発に分泌されるので、結果的に逆流性食道炎を招くという皮肉的な現象が現れたのです。
逆流性食道炎の主な原因とは?
さまざまな原因で発症すると考えられていますが、なりやすい人にはいくつかの傾向があります。
もしかして… 逆流性食道炎!?※あてはまる項目が多い場合は専門医を受診することをおすすめします。
逆流性食道炎の治療法は?
逆流性食道炎は胃酸の分泌を抑える薬や、胃酸を弱める薬を服用することで緩和することができます。投薬治療は約8週ほどですが根治しづらく、治療を途中でやめてしまうと約8割が高い確率で再発します。
しかし薬を長期的に服用するのは面倒なもの。逆流性食道炎は食生活を改善することでも胃酸過多をふせぐことができます。
食前に白湯を飲む。
胃の働きがよくなり負担が軽減します。腹8分目にし早食いをやめ、ひと口20回以上よく噛んで食べると、唾液に含まれるアミラーゼ(消化酵素)が働き、胃の消化がスムーズになります。
消化のいい食材を選ぶ。
ビタミンUを含むキャベツやレタス、セロリなどは過剰に分泌された胃液を抑え、胃粘膜を修復してくれる作用があります。ビタミンUは冷たいほうが増えますが、水に溶けやすく熱に弱いので生で摂るのがおすすめです。
塩分や糖分が多い食材はNG。
浸透圧によって食道が刺激され、胸やけが起こりやすくなります。脂肪の多い肉や魚、炭酸系の飲み物やアルコール、コーヒー、刺激の強い食べ物は胃酸の分泌を増やすので避けましょう。
正しい姿勢を身につけましょう
猫背は食道炎を招く原因です。悪い姿勢を長く続けていると呼吸が浅くなり、横隔膜の動きが衰えて緩んだり硬くなってしまいます。毎日1分、腕を前後に動かすストレッチをするだけで、下部食道括約筋の周囲にある膜状の筋肉がほぐれるので、よい姿勢を保つことができますよ。ぜひ取り入れてみてくださいね。
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