前回は、脳細胞には運動が一番!を紹介しました。今回はさらに『女性と健康』についてお話ししたいと思います。
多くの研究によると、運動不足の女性の方が乳がんの発症率が高く、良く体を動かす女性は、結腸がん(大腸がん)に罹るリスクが50%も低いそうです。
なお65歳以上で良く運動をしている男性は、進行性前立腺がんにかかる確率が70%も低くなります。
男性は成人してからホルモンレベルはほぼ一定ですが、女性はPMS(月経前症候群)、生理、妊娠、閉経を含め、変動し続けます。
ホルモンは脳の発達に多大な影響を及ぼし、一生を通じて私たちの行動や気分、性格を大きく左右させます。
ですが運動には、ホルモンのシステムバランスを整えてくれる素晴らしい効果があるのです。
PMS(月経前症候群)
PMSは、2つの神経伝達物質、興奮性のグルタミン酸と抑制性のガンマアミノ酪酸(GABA)のバランスの崩れから生じますが、1回の運動だけでも、少なくなったGABAを脳内で生産する遺伝子のスイッチが入り、脳内バランスを回復させてくれます。(なお、GABAは、経口摂取しても脳には入り込めません)
妊娠中の運動が、赤ちゃんの脳の未来を左右する
2002年以降、米国産婦人科学会は、妊婦と産後の女性に対し、中程度の有酸素運動を1日に30分することを勧めています。
それは糖尿病、高血圧、子癇前症など、妊娠中に症状が進んで母体と胎児の両方に害を及ぼすリスクを減らすためです。週に5時間速足で歩くだけで、妊娠性糖尿病になるリスクを75%も下げることが出来るそうです。
運動によるゆさぶりは、赤ちゃんが撫でられたり抱かれたりするのと同様の刺激を子宮内の胎児に与え、明らかに脳の発達を促すと結論付けています。5歳になった時点で比較すると、IQと言語能力において著しい差が生じていました。
日本臨床スポーツ医会では、運動は妊娠12週目からとあります。もちろん状況によっては安静にしている方が望ましいケースもありますので、運動は産科医に相談してからにしましょうね。
胎児の脳を守る成分
運動すると心筋からANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)が分泌され、血流に乗って脳まで送られます。ANPには鎮静作用があり、妊娠するとANPのレベルが普段の3倍になり、成長中の胎児の脳を、ストレスと不安の有害な影響から守ってくれます。もし妊娠中にストレスが溜まってイライラしたときは、副作用がある薬を選ぶよりも、速足で歩く方がはるかにいいですね。
産後うつ
初めての出産を経験した女性の10~15%が産後うつの経験があります。
自分が自分でなかったと、振り返る言葉を耳にします。
オーストラリアの研究で、ベビーカーを押しながらの運動を週に3回、速足で40分歩き、週に1度、社会支援の会合に参加してもらうことを6週間続けると、健康が回復し、産後うつ病調査票の数値も激減したという結果がでました。
運動をすれば、神経伝達物質のレベルを正常に導きます。
閉経
卵巣の働きが活発でなくなると、女性ホルモンの生産が衰え、脳内の神経化学物質のバランスが崩れ始めます。
個人差はありますが、血管運動神経症状である火照りや寝汗、怒りっぽさ、情緒不安定などという影響がでてきます。
加齢でホルモンが衰えようが、運動が様々な機能を維持するように働き、認知機能をはじめ、心臓病や糖尿病、乳がん、脳卒中などの疾患を十分に予防してくれます。
老後
男性よりも女性の方がアルツハイマー病になりやすいのです。でも、『神経学アーカイブ』誌に発表された論文によると、運動をしている65歳以上の女性は、そうでない人に比べると、認知症になる率が50%も低かったとあります。
お客様で100歳の女性がいらっしゃいますが、90代になられてからもお一人で生活され、家からかなり離れたお墓に毎日ショッピングカートを押しながらお参りをされ、デイサービスにも通い習い事をされていました。お逢いしたとき、じつに聡明で若々しく、本当に驚きました。
運動する動機が、たとえスリムでいたい、という理由でもよいのです!!
女性が一生を通じてホルモンの変動に準備でき、体だけでなく脳の老化を素晴らしく防ぐことが大切なのです。
こんにちは!言歩木勤務歴10年のかみやまと申します★
管理健康栄養士などの資格を活用し、日々の健康に役立つ情報をみなさまにお届けできたらと思います。
健康的な生活を目指していますが現実は、よく食べよく呑みよく眠るです。。