日本人の失明の原因第1位を占める緑内障。40歳以上の20人中1人が患っていると推定されており、加齢とともに発症率は高くなります。そして一度かかってしまうと治すことができません。
今回は身近な眼の病気、緑内障についてお話しします。
もし緑内障といわれたら
もし、あなたが眼科検診で「緑内障です」といわれたら、まず何を考えるでしょう?
大学時代の友人48〜51歳の男性20名に聞いたところ、
16名が「失明」
2名が「仕事を続けられるのか不安」
そして
残りの2名がなんと!すでに発症しており、相当「ショック」だったそうです。
緑内障の失明は防げる
緑内障は確かに放置すれば恐ろしい病気ですが、かかったら必ず失明するという訳ではありません。
早期に発見し治療をすれば、失明は確実に防げる病気なのです。
それなのに、失明原因1位になるのはなぜか?その背景にあるのが「正常眼圧緑内障」の存在です。
いままで緑内障は、眼圧の上昇が最大の原因と考えられて来ました。しかし、実際には眼圧が正常でも発症するケースが多く、現在では全体の7割以上を正常眼圧緑内障が占めています。
さらに悪いことに私たちの視機能は、片目の視野が広範囲に欠けても、もう片方の目で情報を補完してしまいます。
そのため視界の異常に気づくのが遅れ、眼科の診察を受けた時は、かなり進行していることが多いのです。
ちなみに友人2人は初期の正常眼圧緑内障で、まだ視野に異常は現れていませんでした。
セルフチェックシートを試してみよう
日常生活ではなかなか気がつきにくい視野の欠損。しかし、日常生活にちょっと注意してみると緑内障を発見するヒントが見つかります。
- 視界に虹が見える。
- 文字や行を読み飛ばすことが多い
- キラキラした感じがする。
- 人やモノによくぶつかる。
- 最近よく転ぶ、つまずく。
- 車をよくこする、ぶつける。
もちろん、ぶつかったりつまずいたりすることが多いからといって、緑内障とは限りません。しかし「見えない部分があるからこそ」と、考えることもできます。
このような状態が続く人は、セルフチェックシートで目の状態を確認し、見え方に異常があれば、すぐ眼科医に相談しましょう。
発症した時よりも眼圧を低くする
緑内障による視野欠損は、今の医学では回復できません。そのため、いかに進行を遅らせるかが重要です。
基本的な治療は、正常眼圧緑内障も眼圧のコントロールが中心です。発症した時よりも低い眼圧を維持できれば、進行を抑えられるので、おもに点眼薬が使われます。
それでも効果が不十分な場合は、内服薬やレーザー治療などが検討されます。
ただし、いずれも進行を食い止めるだけで、完治できる訳ではありません。
細胞のサビと緑内障
そこで注目されているのが、発症や進行を遅らせるフラボノイドやポリフェノール、さらにはスペルミジンといわれる抗酸化成分の存在です。
国内外のさまざまな研究で、活性酸素が引き起こす「細胞の酸化(サビ)」が、ガンや動脈硬化などだけでなく、緑内障にも大きく関わっていることが分かったのです。
抗酸化成分といえば皆さんご存知の通り、野菜や果物に多く含まれている物質。
多種多彩な抗酸化成分を摂ることで視神経の酸化を防ぐことができれば、緑内障の発症や進行を遅らせることが可能になります。
世界が注目する長寿・抗酸化物質
また、聞きなれない成分の「スペルミジン」は、世界が注目するたんぱく質の一種で、発酵食品に多く含まれています。
この物質は非常に強い抗酸化作用があり、成長促進や細胞増殖に働くほか、マウスの実験で、寿命を延ばすことが分かっています。
さらに近年、緑内障で傷んだ視神経が、修復・再生するとの可能性を示唆する研究が発表されました。
今まで医学会では「死んだ神経細胞は再生しない」というのが常識でしたが、不治の病と言われてきた緑内障の予防や治療に、光が見えてきたといえます。今後の研究に期待ですね。
ちなみに、抗酸化成分やスペルミジンが体にいいからと偏った摂り方をすると、かえって寿命を縮める可能性があるとのこと、サプリメントなどで大量摂取するのは避けたほうが良いようです。
健康管理士の松渓(マッケイ)と申します! 若い頃はスキー三昧の日々を送っていましたが大ケガをして引退。そこから健康のありがたみに目覚めました。皆さまの日々の暮らしに「ちょっと役立つ」情報を随時発信していきますので、参考にしていただければ幸いです。
残念ながら、25年ほど健康関連の業界に身をおく私からすると、世にあふれる健康情報の中には「?」と首をかしげたくなる内容も。そのため、つい辛辣な言葉もでてしまうことがあると思いますが、どうかご容赦くださいませ。