コラム

足の異常放置していませんか?下肢静脈瘤の予防法

下肢静脈瘤とは足に血液がたまりコブ状に血管が浮きでてくる状態をいいます。立ち仕事をされている方に多く見られる症状ですが、じつは日本人の30代以上の6割が隠れ下肢静脈瘤だといわれています。
足がむくむ、だるい、痛い、重い、こむらがえりがある場合は初期症状の可能性が…。ではどのようなことが原因で起こり、どのような予防法があるのでしょうか。

下肢静脈瘤とは
手足にはカラダの老廃物を回収した血液を心臓にもどす血管(静脈)があります。静脈には血液の逆流を防ぐ弁(静脈弁)がついていますが、足は重力に逆らう形で血液を戻すので加齢や負荷がかかると、弁がもろくなって閉まらなくなり静脈内に血液が停滞してしまうのです。


命にかかわる病気ではないものの一度壊れてしまった弁は自然修復できません。10年以上かけて緩やかに進むことが多いので見逃されがちですが、重症化すると足の表面に血管がボコボコとコブ状に浮きでたり、うっ滞性皮膚炎(色素沈着)、かゆみや湿疹があらわれます。
今まで重大な病気と関連性がないと思われていた下肢静脈瘤ですが、台湾の医師らの調査で肺動脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)のリスクが健康な人と比べる5.3倍も高いことがわかりました。

下肢静脈瘤ができやすい人、悪化しやすい人
・高齢の人
・妊娠や出産経験のある人
・遺伝 ・肥満気味の人
・立ち仕事をしている人
・運動をする習慣がない人

むくみ、かゆみがひどくなる前に…とりいれておきたい運動

・ふくらはぎエクササイズ
血流循環をスムーズにするために重要なのは足の筋肉を動かすこと。特にふくらはぎは第二の心臓ともいわれており、筋ポンプ作用が下半身に蓄積された血液を心臓にもどす働きをします。
1時間に1回かかとの上げ下げを30回繰り返すだけで、ふくらはぎの筋肉を鍛えられます。
・土踏まずを刺激する
足裏には足底静脈叢という血のたまる部位があるので、階段のヘリや青竹などで土踏まずを刺激するとふくらはぎの筋ポンプ機能を高めてくれます。

生活習慣の見直しが予防に水分不足は血液をドロドロにし血栓ができやすい原因に。日中はもちろんのこと寝ている間にも水分は失われていくので就寝前にも水分補給しましょう。
下肢静脈瘤になる人に一番多い原因はじつは肥満です。とくにお腹周りに皮下脂肪が多くなると静脈血流を邪魔してしまいます。適度な運動と野菜や果物に含まれるファイトケミカルには、むくみやだるさを改善する働きがあるので、日頃の食生活にとりいれてみてください。

ハイヒールなど足を圧迫する靴を長時間履き続けると、ふくらはぎの筋肉がずっと緊張したままになり血流が悪くなる原因に。ウォーキングシューズやスニーカーなど、足に負担をかけ過ぎないものを意識的に履くようにしましょう。
長時間立ちっぱなしの人は弾性ストッキングを着用するのもおすすめです。市販のものから医療用まで種類が豊富にありますが、使い方を間違えるとうまく作用しないので自分の症状に合うものを選んでください。

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