新型コロナウイルスの感染予防として、外出時は必ずマスクをつけ、帰ったら手洗いうがいを忘れないようにとテレビやラジオでも警鐘を鳴らしています。熱も咳もでていないのに検査で陽性反応がでたり、陰性といわれたのに再検査では陽性に変わったりと、見え隠れしながらまるで人間をたばかっているかのようにみえる不気味なクセモノ!まだまだ徹底した感染対策が必要そうですね。
コロナを寄せ付けないために欠かせないのはなんといっても免疫力を高めること。そのためには腸内環境を調整する食物繊維や発酵食品などがよいといわれています。食物繊維はビフィズス菌のエサとなり、腸内のビフィズス善玉菌をふやします。ヨーグルトなどの醗酵食品は腸内細菌を改善して免疫力を高めてくれるのです。
日本人にとってもっとも身近な発酵食品に【お味噌】があります。無形文化遺産に登録、健康食のナンバーワンと認識され、讃えられている伝統食です。日本の醗酵食品の代表であるお味噌を習慣にしない手はありません。
以前、テレビでコロナウイルスについての討論がなされているのを見ました。その中で「カレーがコロナの予防になると聞いたけど本当ですか?」との質問が。1人の医師が即座に「そんなことはありません」と答えていましたが、東洋医学では五味(酸・苦・甘・辛・鹹)と内臓は密接な関連があり、【辛味】は肺・大腸を補養すると考えられています。つまり、辛味・スパイスは呼吸器系とお腹の調整をしてくれると考えられているので、複数のスパイスで作られているカレーは予防に役立つと考えられると思います。
私にとって日本のおふくろの味といえば、母が仕込んでいた大根のぬか漬けです。毎朝緑茶と一緒にサクサクと音を立てながら食べていた大根のぬか漬けは、年を重ねるごとに懐かしく、一番食べたいご馳走です。コレに匹敵するのが韓国なら【キムチ】でしょう。醗酵食の代表格です。韓国料理で必ず出てくるキムチ。これでお腹の状態を整えて食害から体を守っているのです。わたしはコロナ予防の一つとして、初めてキムチ作りに挑戦してみることにしました。日に日に味が変わるので作っていてとても楽しかったです。ぜひ、みなさんもチャレンジしてみてくださいね。
ピリリと美味い 発酵キムチ
【材料】
白菜 1個
大根 1/2本
梨 1個
玉ねぎ 1個
りんご 半分
唐辛子 (粗びき粉2カップ、粉末1カップの割合)
万能ネギ 1把
いわしの塩漬け汁(漁醤) 大さじ2~3杯
【つくりかた】
①白菜は4等分にして、軽く塩(分量外)をふり、塩水に漬けて重石をし、12時間放置する。
②大根はうすくスライスし、さらに千切りにしたものを絞って汁を取る。
③りんごは皮ごと、梨と玉ねぎは皮をむいて、それぞれすり下ろす。
④万能ネギは2cm長さに切る。
⑤ボウルに③の果物の汁をいれ、唐辛子の粉、漁醤、万能ネギ、大根を加えて混ぜ合わせる。
⑥白菜の水気を切り、⑤を白菜の葉のあいだに挟んでいく。
⑦⑥を陽気に入れて、室内に3日間放置しておいたあと、冷蔵保存する。
※浅漬けを好むなら3~4時日でも食べられるが、しばらく冷蔵保存して醗酵がすすんでから食べると味がよくなる。
「東京薬膳研究所」代表。本場中国で薬膳を学び、帰国後は日本の気候風土に合った薬膳理論を研究。和食薬膳・食養研究の第一人者である。『食は薬なり』を全国へ広めるため、執筆活動のかたわら各地で講演を行い活躍中。著書に『決定版 和の薬膳食材手帖』『旬を食べる和食薬膳のすすめ』(すべて家の光協会)などがある。