ユネスコの世界無形文化遺産に「和食」が登録されてから、国際的に日本食が注目されていますね。
さて、注目されている日本食とはどのようなものでしょうか?
これからご紹介する東北大学の研究結果がそのことを教えてくれています。
東北大学の都築 毅教授がだされた2016年の報告によると、20代〜70代の軽肥満者60人を【1975年に一般家庭で食べられていた食事】と【現代食】との2グループに分け、一ヶ月間食べてもらいました。すると、現代食に比べて1975年当時の食事を摂ったグループにはたった一ヶ月間で驚きの変化があったというのです。
また、健常者32人にも同様の調査をした結果、1975年型の食事をしたグループはストレスが軽減され、運動能力にも優位な増加が見られました。
肥満解消だけでなく、精神面でも改善がみられたというのは驚きですね。現代食、いわゆる欧米型の食事よりも、昔ながらのおふくろの味を日本人の身体は喜んでいるのではないでしょうか。
実験で食べられた食事は特別なものではありません。旬の食材をつかった一汁三菜、たったそれだけ。
調理法は油を多く使う揚げ物、炒め物はほとんどなく、食材では大豆、魚介、野菜、果物の海藻、きのこなど、日本人が昔から食べてきた家庭料理を積極的に摂るのです。
実験を行なった都築教授は「40年前の日本食が健康にいいと広めることで、現代の食生活を見直す食育に役立つことが期待できる」と話されています。
日本食は肉食系に多い循環器疾患、いいかえれば血液の汚れや血行不良が原因で起こる病気を予防、改善することが確認されたのです。みなさんは、普段どんな食事をされていますか?旬の食材を使った小鉢をひとつ増やすだけでも、病気をひとつ防げるかもしれません。
キャベツの柚香漬け(つくりやすい量)
【材料】
キャベツ 大1/2個
生姜の千切り 2かけ分
柚子皮の千切り 2cm×4cm分
塩 小さじ1と1/2
酢 大さじ1
柚子の絞り汁 大さじ1/2
【つくり方】
①キャベツは食べやすい大きさに切りジッパー付きの保存袋に入れる。
②生姜と柚子の皮、塩、酢、柚子の絞り汁も①の保存袋へ入れて、空気を抜き冷蔵庫で半日ほど漬けて完成。
「東京薬膳研究所」代表。本場中国で薬膳を学び、帰国後は日本の気候風土に合った薬膳理論を研究。和食薬膳・食養研究の第一人者である。『食は薬なり』を全国へ広めるため、執筆活動のかたわら各地で講演を行い活躍中。著書に『決定版 和の薬膳食材手帖』『旬を食べる和食薬膳のすすめ』(すべて家の光協会)などがある。