新型コロナで世界が一変して丸2年。しっかり手洗い、消毒していますか?ちょっと指先を濡らすだけとか、人が見ていないから省略…なんて疎かになってはいませんでしょうか。
家族や周りの人の健康を守るため、いま一度正しい「手洗い」を見直しましょう。
コロナ以前、しっかり手を洗っていましたか?
きれい好きと世界から称賛されることも多い日本。でも、その実態は…。コロナ禍以前の手洗いはどうだったのでしょう。
国際医療福祉大学の崎濱智子准教授が大学病院1つと、市中の総合病院3つで医師と看護師が、一人ひとりの患者さんを診察・治療する前に手洗いをするか調査しました。結果は酷いもので、医師の85%、看護師の77%が手を洗っていませんでした。
ちなみに、今の医療機関では手指衛生が徹底されていますので心配はいりません。
次に消費者庁が全国の16~65歳の男女2000人を対象に『トイレ後の手洗いについて、アンケートを実施した結果ですが…
なんと、トイレの後に手を洗わない人が15・4%!そのうち、大便をしても手を洗わないのが半数以上。何食わぬ顔をして、その手で誰かと握手したり料理したりしていたのでしょうねぇ、たぶん。
コロナ慣れしていませんか?
コロナ初期の頃は志村けんさんを始め、著名人が次々命を落として騒然となりました。みなさんも石鹸やアルコール消毒液などを買い求め、外出から帰ったら手を洗い、消毒をしっかりやっていたことでしょう。
しかし、最近「コロナ慣れ」したのでしょうか、私の周りでは手を洗わない人が散見されます。とくにトイレ後や鼻をかんだ後に手洗い、アルコール消毒を忘れてしまう人がいるようです。みなさんはどうでしょうか?
トイレットペーパーではウイルスは防げない
トイレで用を足したあと、紙で拭いていると思います。トイレットペーパーを使えば手が汚れない気がしますが、大間違い。
便とともに排出されるコロナウイルスやノロウイルス、大腸菌などはとても小さな存在。彼らは繊維の粗い紙を通過して、やすやすとあなたの手元にやってきます。
4枚重ねではどうでしょう?残念ながら苦も無く通過します。4倍の16枚でもまだ足りません。実際は36枚重ねで大腸菌は食い止めることができました。
ちなみにコロナウイルスは大腸菌の70分の1、ノロウイルスは200分の1の大きさ。食い止めるには更なるトイレットペーパーが必要になります。
お尻を拭くと手が汚れます
紙で拭いているときに、便が付着しやすい場所があります。それが親指の付け根と袖口。みなさん気がついていないだけで、かなり汚れているそうです。
下痢などゆるい便になると、さらにその率は高くなりますから、手洗いがいかに大切か、わかりますね。
感染症で怖いのは、症状が出ない「無症候性保菌者(不顕性感染)」で人にうつしてしまうこと。大便や鼻水には感染力を保ったままの細菌やウイルスが排出されます。本人はピンピンしているため、気付かないうちに感染を広めてしまうのです。
手洗いの習慣を今一度、確認しましょう
蛇口のハンドルは手洗い前の汚れた手で触れるため、病原体の温床になっています。手洗いの前と後に、ハンドルを洗い流します。
①洗顔の前
②鼻をかんだり、咳やくしゃみの後
③食事や調理の前後
④トイレの後や排泄物を触った後
⑤電車やバスなどでつり革、手すりを触った後
⑥動物を触った後
⑦ゴミを触った後
⑧切り傷などを手当てする前後
健康管理士の松渓(マッケイ)と申します! 若い頃はスキー三昧の日々を送っていましたが大ケガをして引退。そこから健康のありがたみに目覚めました。皆さまの日々の暮らしに「ちょっと役立つ」情報を随時発信していきますので、参考にしていただければ幸いです。
残念ながら、25年ほど健康関連の業界に身をおく私からすると、世にあふれる健康情報の中には「?」と首をかしげたくなる内容も。そのため、つい辛辣な言葉もでてしまうことがあると思いますが、どうかご容赦くださいませ。