長らく、心や脳の病気であると考えられてきたうつ病。最近では、心や脳の状態だけではなく、身体の炎症もうつ病に関係しているということが、最新の研究でわかってきました。
これは「うつ病研究」にとって革命的で、従来「心と体は別物」としてきた医学会にも変化をもたらしました。
では具体的にうつ状態と身体の炎症はどう関係しているのでしょうか。
身体の炎症が起こるメカニズム
まずは身体の炎症が起こると、どのような変化が起こるのかを考えてみましょう。
私たちが身体に傷を負ったとき、傷から体に入って来た細菌をやっつけるために、免疫細胞であるマクロファージが細菌を捕食し、掃除をしてくれます。
このとき、免疫細胞マクロファージは援軍を呼ぶために「サイトカイン(炎症性タンパク質)」を血流に放出し、多くのマクロファージがそれに引き寄せられます。そのため傷の腫れや発心、疼痛などの急性炎症が現れるのです。
つまり炎症は人の身体を守るために発生しています。
身体の炎症が起こると脳も炎症を起こす
さてそんな身体の炎症反応ですが、実は上記のメカニズムが脳にも影響していることがわかっています。
今まで、脳と免疫反応に関係がないとされてきたのは、血液脳関門と呼ばれるものが、脳に異物を通さないために、免疫系と神経系統をしっかり切り離していると考えられていたからです。
しかし現在では、血中を巡るサイトカイン(炎症性タンパク質)が、身体から炎症信号を脳に中継し、脳の免疫細胞であるミクログリアを活性化させることがわかっています。
つまり身体にサイトカインが放出されると、脳も炎症を起こすということなのです。
たとえば手術後や歯根・歯肉治療のあとに、だるくてやる気が失せるようなことを経験したことはないでしょうか。これは身体に入った異物や細菌を撃退するために、炎症信号が脳にも伝わり、心も炎症を起こしてしまうからなのです。
心の炎症はうつ状態を引き起こす
心が炎症を起こすと、人は一時的にうつ状態になります。
これは感染や炎症から早く回復するためにも、エネルギーを温存させようという身体の自然な反応です。風邪を引いた時に、体がだるくて動けなくなるのと同じことで、心をだるくし、無駄にエネルギーを使わせないようにさせているわけです。
安静に過ごせば、エネルギーを治癒に回すことができるため、人の体にはそのような反応が起きます。そしてこの一連のメカニズムが、炎症反応が起きるとうつ状態が引き起こされるしくみとなっているのです。
次回では、さらにうつと炎症について深堀していきます。⇒https://kotohogi-kenko.com/5583/
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管理健康栄養士などの資格を活用し、日々の健康に役立つ情報をみなさまにお届けできたらと思います。
健康的な生活を目指していますが現実は、よく食べよく呑みよく眠るです。。