大気の乾燥にともなって最近はお肌もカサカサ・・・。ちゃんと保湿しているはずなのに季節の変化についていけていなかったり、マスク生活で過乾燥(水分を含んだ肌が外気に触れ、皮膚表面の水分が異常に蒸発すること)になり肌荒れをおこしている方もいるかと思います。肌に適度な油分と水分を保つことができれば、高価な化粧品は使わなくていいし冬の乾燥に悩まされることもありません。
旬の野菜は価格も安く、なによりお腹も満たされる。幸せホルモンまでもでて心も体も潤います。今回は、私がおすすめする冬野菜3選をご紹介します。この冬、3つの食材を積極的に摂れば頬のガサつきや乾燥による小ジワで頭を抱えることも減るはずです。
百合根
秋から冬にかけて気温が下がり大気が乾燥して湿度が低下してくる時季は、東洋医学では体が乾燥し、寒冷な外気の刺激を受けて呼吸器系を病みやすいとしています。その乾燥から体をまもるもののひとつが百合根です。美肌にかかせないビタミンCや鉄分、食物繊維がバランスよく含まれています。漢方では肺を潤して咳をとめ、イライラや精神不安、不眠、更年期の不定愁訴に効果があり、喘息や気管支炎の症状を和らげ、出産後のむくみや乳汁不足、甲状腺腫を改善し、脾胃を補って元気を増す効能があるとされています。特別な下ごしらえもせずに調理できるのでとても便利な食材です。
ハーブと百合根のサラダ
材料
ハーブ 1パック
百合根 1つ
酢 少々
赤梅酢 適量
(レモンドレッシング)
レモン汁 50cc
オリーブ油 50cc
玉ねぎ 適量
ニンニク 1/2片
酢 大さじ1
砂糖 小さじ1/2
塩 少々
作り方
①まずレモンドレッシングを作ります。ボウルに玉ねぎとニンニクをすりおろして入れ、レモン汁、酢、砂糖、塩、オリーブ油を加えて混ぜ合わせる。
②百合根は水洗いして一枚ずつはがし、きれいに洗う。汚れた部分は包丁で削ぎとる。百合根を面取りし、赤梅酢に漬けてしばらく放置。面取りした部分のみ色がつき、可愛い百合の花びらができる。
③鍋に酢少々を入れて、赤く色づいた百合根を2~3分茹でてザルにあげ、冷ましておく。
④お好みのハーブを用意しておいたドレッシングで和え、器に盛り付けて百合根の花びらを散らして完成です。
小松菜
イライラをなくし便通をよくする小松菜。東京都江戸川区小松川でたくさん収穫されていたのが名前の由来です。アクがほとんどなく、歯ごたえのよい野菜で冬のお雑煮にはかかせません。体の熱を沈めてイライラを解消し、胃腸の働きを整えて便通を促す効能があります。そして緑黄色野菜の中でもカルシウムの含有量が多いのが特徴です。骨や歯を丈夫にし、神経の興奮を緩和してくれます。また、肌荒れを防いで健やかな肌を保ってくれるカロテンがとても豊富で、シミやシワを防ぐビタミンCも含まれているので美容の強い味方でもあります。
ほうれん草
菜っぱといえばほうれん草というほど、とてもなじみ深い野菜。原産はイランで、日本へは江戸時代に唐船によって長崎に伝えられました。今では簡単に手に入る野菜ですが、明治時代までは高級野菜として扱われていて、本格的に栽培が始まったのは昭和以降とのこと。血行をよくする、腸を潤すとして、中国では体力の衰えた人の便秘治療に用いられているといいます。造血ビタミンといわれる葉酸と鉄分が豊富に含まれているので貧血予防にも。皮膚を保護するβカロテンも多く含まれ、ビタミンCとともに肌を美しく保つ働きがあります。
「東京薬膳研究所」代表。本場中国で薬膳を学び、帰国後は日本の気候風土に合った薬膳理論を研究。和食薬膳・食養研究の第一人者である。『食は薬なり』を全国へ広めるため、執筆活動のかたわら各地で講演を行い活躍中。著書に『決定版 和の薬膳食材手帖』『旬を食べる和食薬膳のすすめ』(すべて家の光協会)などがある。