今日では季節を問わず、あらゆる野菜や果物などを手に入れることができるようになりました。そのため、あまり「旬」というものを意識しなくなってしまった…そんな方も多いのでは?
もともと、私たち日本人はそれぞれ旬の食材を利用した食生活を送ってきました。便利ではありますが、旬ではない食品には危険が潜んでいることをご存じでしょうか?
今回は季節外れの野菜の危険性についてお話ししますね。
硝酸態窒素(しょうさんたいちっそ)の恐ろしい毒性?
1965年、欧米で離乳食が始まったばかりの赤ちゃんが突然死する「ブルーベイビー事件」が起こりました。
高濃度の硝酸態窒素を含有するホウレン草が原因で、食後わずか30分もせずに真っ青になり、死亡したというケースなど、乳幼児の中毒事件が相次いだそうです。悲しいことに160人もの乳幼児が犠牲となりました。
※当時、「ポパイ」というひ弱な男性が、ホウレン草の缶詰を食べると怪力男になるというアニメが流行っていました。ホウレン草を食べると強い男の子になれる!といって、野菜嫌いな子供たちが好んで食べるようになったという時代背景です。赤ちゃんに強くなってほしいという母の願いにより、多く食べさせたようです。
なお、突然死の原因は野菜畑の化学肥料(窒素肥料)や家畜の糞尿により、硝酸態窒素が井戸に流れ込んだためと言われています。
体の小さな赤ちゃんにとって硝酸態窒素は、赤血球の活動を阻害して急性の酸欠を引き起こすだけでなく、生殖機能障害や発がん、肝障害、アトピー性皮膚炎などのリスクを高めると言われています。
世界保健機関(WHO)では硝酸態窒素の単独致死量を4,000mg(=4g)と定めています。ヨーロッパでは硝酸態窒素の上限量が定めていますが、日本には規制がなく野放し状態です。そのため、日本の野菜をEUに輸出しても、受け取ってもらえないものがほとんどだとか。
季節外れの野菜に、大量の硝酸態窒素が含まれている!?
一般的に、旬の野菜は十分な光合成をすることができますので、硝酸態窒素は減少し、問題の無いレベルになります。
しかし、ハウス栽培などによって、本来の旬以外の季節に栽培されたり、短い期間で出荷された野菜は太陽光を十分に浴びていません。成長させるため、葉を青くするため、化学肥料(窒素肥料)をたっぷりと使います。有機野菜であっても同じことです。つまり、硝酸態窒素が多く含まれる状態になるのです。
実際に、季節外れの野菜の実態調査を行ったところ、日本の多くの野菜には、ヨーロッパで規制されている値をはるかに超えているものが多かったのです。
ホウレン草だけでなく、小松菜、チンゲン菜などの季節外れの物なのに、青々とした葉物野菜は硝酸態窒素が多いそうです。3束4束を食べると致死量の4,000mgを超えるものがかなりあるというから、いや~怖いですよね。
とにかく旬の野菜を選ぼう!
硝酸態窒素について日本はどこ吹く風。国が制限をかけると、農家の票が入らなくなるからと聞いたことが。ん~、それが本当なら何とも情けない…。
とにかく私たちにできる対策は、できるだけ旬の野菜を選ぶしかないのでしょうね。
ちなみに、畜産動物が死なないために、その飼料には基準があるのだとか。人より牛豚が大切なのかもしれません。
さて、赤ちゃんの離乳食には、旬の野菜を選び、葉物野菜であれば色の薄いものを、茹でて硝酸態窒素を少しでも捨てるため、煮こぼしをしましょう。
わたしは孫娘の離乳食に、人参や大根、キャベツなどに少しの葉物と、複数の野菜を薄~く切り、しらす干しや豆腐を混ぜて茹でていました。これなら煮こぼす必要もありませんし、忙しい朝でも10分程度で十分に柔らかく茹で上がるので楽ちんでした(@^^)/~~~
酵素歴50うん年。
現在、健康・栄養学関係の書物を買い漁り、読むはずが積ん読状態。
飽食の時代、多くの食べ物が「病気へと導く源」になっていることを危惧。
健康には運動も欠かせないと言いつつ、コロナ禍より運動不足。
孫娘に「じぃじぃ、お腹でてるよ」とレッドカードを出される(^ω^)・・・