良い人間関係を築く
長寿者には共通点があります。それは、結びつきの強いコミュニティで生活しているということ。調査によると、文化や国にかかわらず、百寿者のほとんどは社会的・精神的に強いサポートシステムの中で生きています。
106歳を目前にして若々しい姿のまま亡くなったイーディスさんという美女は、101才のとき、バスルームで転んで腰の骨を折ってしまいました。寝たきりを余儀なくされるところでしたが、幸いなことにイーディスさんは強力な付き合いの輪を持っていただけでなく、いつも愛らしいポメラニアンと一緒に出かけていました。そのおかげでバスルームでの転倒の後も順調に体力を回復でき、すぐに友人とランチの約束をするようになりました。
彼女のスケジュール帳はあっという間に予定で埋め尽くされ、ベッドから起きる理由ができました。転倒直後には精神的にも落ち込んでいましたが、それもすっかり元に戻り、その後の5年間を友人たちと楽しく過ごしました。社会的、精神的な強いつながりを持っていたことが、彼女に大きな影響をもたらしたのです。
ご主人が定年を迎えると
男性の多くが、定年を迎えるとすぐに健康状態が悪化し始めます。社会的なつながりであった職場がなくなると孤立して老化が早まってしまうそうです。
健康には社会的なつながりが不可欠であり、それが希薄になると孤独が蔓延し、寿命と健康寿命も短くなってしまうようです。
ちなみに動物の世界でも、コミュニティの重要性はよく知られています。長寿のネズミとして知られるハダカデバネズミは、女王ネズミに献上するための塊茎を見つけたり、トンネルを掘ったりするために協力し合います。
人間同様、社会的なつながりが長寿を支えているのかもしれませんね。
犬は人間の最良の友
外に出て体を動かすことは健康にとってとても大切なため、半強制的に散歩の習慣を身につけるためにも犬を飼うことが良いそうです。
犬は外に出て歩くことを求めるだけでなく、体を汚します。前足は泥だらけになり、被毛は花粉の胞子や落ち葉を拾います。これをネガティブにとらえる人も多いのですが、土に含まれる菌類に触れることは、私たちにとっても腸内環境を整えるのに役立ちます。
犬と一緒に暮らしている人は、そうでない人にくらべて、はるかに多様な腸内細菌群を持っているという研究結果がいくつもあります。
特筆すべきは、犬を飼っている子供は、飼っていない子供にくらべてアレルギーが少ないこともわかっています。
「犬は人間の最良の友」と言われる由縁が、なるほど、分かった気がします。
他人と細菌を共有する
犬に顔を舐められると顔にたくさんの細菌がつくのと同じように、多くの人と接触すると、多くの細菌も共有することになります。
じつは、腸内細菌は他人と影響し合います。「家族みんなが太っている」、逆に「家族みんながスリムである」というようなよく耳にする話も、実は単なる偶然ではなく、身近な人との細菌を共有することにより、腸内の細菌も影響を受け、健康に大きな影響を与えているわけですね。