コラム

笑いと健康の深い関係性 笑いがもたらす効果とは

「笑いは百薬の長」や「笑う門には福来たる」ということわざがあるように“笑い”は古くから私たちのカラダに影響をあたえるといわれています。多くの研究がおこなわれる笑いには、具体的にどのような効果があるのでしょうか。

免疫力がアップ!
健康な人のカラダにも1日3000~5000個ものガン細胞が生まれていることをご存じですか。ガン細胞や体内に入ったウイルスなど、それらを退治しているのがナチュラキラー(NK)細胞です。
すばるクリニック 伊丹仁朗院長は、ガン患者を含む方々に漫才や喜劇を3時間鑑賞してもらい、その前後の血中の変化を調べました。するとNK細胞の活性化が7割の参加者にみられ、免疫細胞の働きが強化されたことがわかりました。つまり笑うことで免疫力が高まりガン予防にも役立つと証明したのです。

糖尿病患者のコレステロール値を改善
笑いと血糖値の関係に注目した筑波大学 村上和雄名誉教授は、中高年の糖尿病患者に協力してもらい、昼食後に40分間、難しい講義と漫才を鑑賞したのち血糖値を計測しました。すると漫才で大笑いした患者さんの食後の血糖値上昇が大幅におさえられたのです。

痛みをやわらげる特効薬
日本医大整形外科 吉野槙一教授は、落語家の林家木久蔵(現:木久扇)師匠を呼んで約1時間、慢性関節リウマチ患者さんを大いに笑わせてもらいました。その前後の血液を採って調べたところ、痛みのもととなる物質の値が劇的にさがりました。すべての患者さんは痛みがやわらいだと喜び、その効果が3週間も持続した人もいました。
吉野教授は「たった1時間でこれほどリウマチに効く薬はほかにはない」と話しています。それを聞いた木久蔵師匠は「落語はキクゾー」といったとか(笑)。

ストレス解消や認知症予防にも役立つ笑い
免疫力を高め痛みもやわらげてくれる笑いのパワー。効果はまだまだあります。
大阪大学 大平哲也准教授の調査によると小学生は1日平均300回、20代では20回、70代では2回笑うそうです。しかし高齢の男性の22%は週に1度も笑わずに過ごしています。
年齢を重ねるにつれ笑わなくなるのはストレス説が有力。笑いにはストレスや不安感を軽減するセロトニンなどの脳内物質を分泌させる効果があるので心身もリラックスできます。

また「毎日笑う人」に比べ「ほとんど笑わない人」は1年後の脳の萎縮や機能低下が著しいと指摘しています。

日常生活はもちろん医療や介護の現場などでも活用される笑いによってもたらされる“うれしい効果”は幅広く多彩!しかも作り笑いでも効果が期待できます。

新型コロナウイルスの影響で自宅時間が多くなり笑うことが少なくなったという方も多いのではないでしょうか。普段好きなことに興味がわかない、楽しめないと感じるときは心が疲れているサインです。こんなときだからこそ、おもいっきり笑いましょう!前向きな気持ちが健やかな暮らしをもたらしてくれますよ。

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