コラム

⑪腸にも味覚がある!?

私たちは毎日の生活の中でいろいろなものを口にします。食事は本来、健康や生命を維持するための栄養素を摂取する手段です。しかし、人は鋭い味覚を持っているので、安全な生活下で贅沢になると生命維持というよりも、味覚を楽しむ食事を求めるようになりました。

味はどこで感じ取るのでしょうか?
舌には味蕾(みらい)という味覚を感じ取るセンサーがあるので、多くの方が舌だと答えるかと思います。
しかし、近年の研究で、舌以外の消化管や腸などでも味を感じ取ることのできる味蕾があることがわかりました。

でも、舌以外の器官が味を感じることに、どういった意味があるのでしょう?

腸の味蕾が健康に影響

現在、甘みと苦みを感じることのできるレセプター(受容体)が腸などに存在することが分かっています。

とくに、植物などに含まれているファイトケミカル(ポリフェノールやカロテノイド)などを腸内細菌が分解・代謝し、それを腸が吸収するだけでなく感知すると、苦みレセプターが活性化します。
腸がファイトケミカルの苦みを感じると、脳や身体にメッセージが送信され、さまざまな病気や症状を治癒する効果を高めるというのです。

腸内細菌が弱っていると!

抗生物質、人工添加物、そして加齢などにより、腸内細菌の種類は減り、バランスも乱れます。すると、あなたの腸内細菌はファイトケミカルを十分に分解・代謝できなくなります。
発酵食品が重宝されるのは、発酵菌がその役割を食べる前にしてくれているからでもあります。
ちなみに、弊社の『山野草醗酵酵素』には、52種類の発酵菌によって分解・代謝された幾千ものファイトケミカルがじつに豊富に含まれています(^_-)-☆

あなたの脳が、微生物の話に耳を傾けている

体内に棲む微生物(腸内細菌など)が腸と会話をしている…、信じられないかもしれません。もちろん、私たち人間が使用するような言語によって会話をしているわけではありませんが、神経伝達物質などを介して、さまざまなシグナルを発することが分かってきました。
そのシグナルは、腸だけではありません。脳にも届きます。つまり、あなたも無意識のうちに脳で微生物の会話を聞いている状態なのです。そして、脳が判断し、体に指令を送ります。

腸内細菌と身体の各器官は繋がっている

腸内細菌と腸、腸と脳だけでなく、全身のさまざまな器官はそれぞれ独立したものではなく、繋がったものと考えるべきです。
「胃が痛いのですね。では胃薬を」「下痢ですか。では下痢止め薬を」ではなく、すべてが繋がっているという認識が、これからの健康法や医療を考える上で重要です。

わたしたちのからだに棲む微生物たちは、さまざまな役割を担っており、私たちの健康を維持する上で欠かすことができないものばかりです。そして、微生物は腸をはじめ、さまざまな器官とやりとりを、つまり、会話をしているのです。

免疫や毒の処理も

腸内細菌の担う役割の中でも特に重要なものが、代謝の統制や有害物質の処理、免疫系の統制などです。
腸内細菌たちのバランスが取れていて、正常に機能する状態であれば、私たちは健康を保つことができます。
逆に言えば、このバランスが崩れてしまうと、さまざまな病気を引き起こす原因になります。
パーキンソン病やアルツハイマー病などを引き起こす原因のひとつとして、腸内細菌のバランスの崩れや、働きの悪化が挙げられるようになりました。

わたしたちの健康は、体内の微生物次第

いかに体内の微生物のバランスを保ち、その会話に耳を傾けることが健康を維持する上で重要です。腸内細菌のバランスが、添加物や片寄った食べ物、そして悪い睡眠や感情の乱れによって崩れてしまい、体のあちこちに悪い影響を与えることがわかっています。健康を維持するために、体内の微生物たちと共存し生活していることをしっかりと頭に入れておくようにしましょう。

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