コラム

肺炎や骨粗鬆症、子宮にも影響を及ぼす歯周病!vol.2

そもそも歯周病ってどんな病気?

歯磨きする前に、歯の表面を軽く爪楊枝でこすってみてください。白く粘ついたものが付着する場合があります。これが歯垢(プラーク)といわれるバイ菌の塊。わずか0.001g中に1億個以上の菌が生息しています。
この歯垢は水に溶けにくく、そのまま放っておくと唾液のカルシウムやリンといったミネラル分と合体して石化します。これが歯石で歯周病の原因となります。
歯周病はその名の通り、歯ぐきや歯を支える歯槽骨(しそうこつ)の病気です。歯がなくても、入れ歯が合わないと炎症が起きてしまいますので、注意が必要です。
歯周病の初期は、ほとんど自覚症状がありません。ご家族に口臭を指摘されたり、虫歯の治療に行って、初めて分ったという方がほとんどです。

 

 

歯周ポケットはバイ菌だらけ!

歯と歯茎の間にある溝を歯周ポケットといいます。歯科検診など定期的に検査をしていると「歯周ポケット深さ何ミリですね」といわれることがあります。この深さが歯周病の進行度合いの目安になります。

この溝に歯垢や歯石が取り付くと炎症・化膿が生じやすくなります。長年放置すると、歯茎が腐り、あごの骨も溶け始めます。歯周病は歯茎の病気と思われがちですが、歯と歯茎、あごの骨を含めた全身の病気なのです。
また歯周病の原因になるのは歯垢や歯石だけでなく、合わない入れ歯やブリッジの刺激によっても起こりますので、義歯に違和感がある人は歯科医師に相談しましょう。

 

体の不調、歯周病菌が原因かも?

歯周病で発生する毒素は歯茎の毛細血管から全身に巡り、前号でお話した眼精疲労や糖尿病だけでなく次のような病気を引き起こすことが解ってきました。

◆心臓病
歯周病のバイ菌が心臓の血管をつまらせ、大動脈瘤や動脈硬化症の引き金に!

◆肺炎
誤嚥性肺炎の患者さんの肺から歯周病の原因となるバイ菌が見つかっています。

◆骨粗鬆症
歯周病で歯を失うと食生活が偏りがちになり体全体の骨密度が下がってしまう。

◆バージャー病
手足の動脈が詰まって潰瘍を引き起こす難病、バージャー病の傷口を調べると血液中から歯周病のバイ菌が検出されます。

◆子宮の収縮
歯周病で発生する炎症物質のプロスタグランディンは、子宮収縮に影響を及ぼすため早産になりやすい。

新型コロナが蔓延して以来、歯科検診をおろそかにしていた私自身、この原稿を書きながら自分の歯と歯茎が気になってしまいました。
歯周病は全身の健康に深くかかわっていますので、半年に一度はしっかり検診を受けてきれいな歯と歯茎、そして健康を保ちたいですね。

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