60兆個もあると言われている人体の細胞。その材料となる重要な栄養素が「たんぱく質」です。つまり、私たちはたんぱく質でできていると言っても過言ではありません。
「食事でしっかりたんぱく質を摂っているから大丈夫」という方、まだ安心はできません。一日に必要と言われるたんぱく質の量は60~90gですが、たとえしっかり摂取していても、きちんと吸収できていなかったり、ビタミン不足だったりするとたんぱく質は働くことが出来ません。
果たして、食事で摂り入れたたんぱく質を無駄なく活用できているでしょうか?
今回は、体内でたんぱく質を活躍させ、元気な体によみがえる食事術を解説していきます。
– 目次 –
肉体は新しい細胞を作り続ける化学工場
コラーゲン飲料より『たんぱく質+ビタミンC』
『たんぱく質+鉄+ビタミンB群』で疲労撃退
たんぱく質にプラスアルファしてみよう!
いろいろな食材をバランスよく楽しもう!
肉体は新しい細胞を作り続ける化学工場
例えるなら、私たちの体は、まるで複雑な化学工場です。
まず、食事で摂り入れられたたんぱく質はアミノ酸に変換されます。そして、さまざまなビタミンなどの栄養素と化学反応を起こして、アミノ酸は血液・内臓・筋肉・皮膚・髪の毛などなど、体のあらゆる組織で新しい細胞へと生まれ変わります。
たんぱく質やアミノ酸だけがあっても、細胞を作るため化学反応は起きません。反対に、ビタミンはあっても、材料となるたんぱく質やアミノ酸がなければ、材料不足で細胞が作れないというわけです。
コラーゲン飲料より『たんぱく質+ビタミンC』
弾力のある美肌作りのために、せっせとコラーゲンのドリンクやサプリを飲んでいるという方もいると思います。
しかし、そもそもコラーゲンの正体はたんぱく質。わざわざコラーゲンを補わなくても、たんぱく質が足りていれば、お肌も新しい細胞に生まれ変わることができます。
食べ物で補ったコラーゲンはたんぱく質と同様、一度アミノ酸に分解されて、もう一度体内の細胞の材料となります。コラーゲンがそのままコラーゲンになるというわけではありません。
体内でたんぱく質からコラーゲンを生成するために必要となる栄養素はビタミンCです。たんぱく質が足りていても、ビタミンC不足だとコラーゲンをスムーズに作れないため、お肌にハリがなくなってしまいます。
また、ビタミンCは筋肉を作るためにも必須の栄養素。ハリのあるお肌と筋肉を維持するためには毎日コツコツ摂取することがポイントです。
『たんぱく質+鉄+ビタミンB群』で疲労撃退
なんとなくだるい…。疲れが取れない…。そんなときにスタミナドリンクよりも、たんぱく質に鉄とビタミンB群を意識的にプラスしてみましょう。
ビタミンB群は、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ビオチンの8種類。ビタミンB1・B2は糖質と脂肪の代謝に、ビタミンB6・葉酸はたんぱく質の代謝と合成に不可欠な栄養素です。
ただし、ビタミンB群はお互いに作用しあって体内で働けるようになるため、いろいろな食品を組み合わせて摂取することが大切です。また、体内に溜めておくことができないので、毎日こまめに摂り入れましょう。
さらに、疲れにくい体にするためには、鉄分も重要です。動物性の食材に含まれるヘム鉄はたんぱく質と結合しているため、たんぱく質不足が鉄不足の原因となることがあります。
鉄は酸素を運搬するために重要な栄養素。不足すると細胞の酸素が足りなくなり、疲労や老化が加速します。
ビタミンB群と鉄分のおかげでたんぱく質の代謝がうまくいけば、新しい細胞に生まれ変わるターンオーバーも正しく行われ、だるさや疲れを遠ざけられます。
たんぱく質にプラスアルファしてみよう!
全身を健やかに保ち、ハリのあるお肌や疲れにくい体のためには、さまざまな食べ物の栄養が必要です。
上の図では、どんな食べ物でビタミンやそのほかの栄養を補えるのかをご紹介しています。せっかく食事で摂り入れたたんぱく質をムダにしないためにぜひチェックしてくださいね。
いろいろな食材をバランスよく楽しもう!
たんぱく質をしっかり活用するためには、さまざまな栄養を含むいろいろな食材を摂り入れることが大切!
「これだけを摂ればいい」という食材はありません。健康も不健康も食事のとり方次第です。さまざまな食べ物を組み合わせて、毎日の食事を楽しみながら、たんぱく質をしっかり活かせる体を作っていきましょう。
こんにちは、健康管理士・腸内環境管理士の中谷です。三姉妹の母で、毎日にぎやかに過ごしています。楽しみは美味しいお酒と観葉植物を育てること。美酒を作る発酵の力と、植物が持つ癒しのパワーを日々実感中です。植物で大切なのは根っこですが、人間にとっての根っこは腸。腸にまつわるお話や、健やかに過ごすヒントなどをお届けします。ぜひ、ご一読いただければ幸いです。