コラム

新たな国民病 慢性腎臓病(CKD)をご存知ですか?その1。

新たな国民病として今、慢性腎臓病が注目されています。この病気は腎臓の機能が低下し、タンパク尿などの症状が現れます。
年齢が高くなるほど発症しやすいといわれますが若い患者さんもおり、じつは20歳以上の8人に1人、現在1300万人以上が罹患していると考えられます。
あなたの腎臓は大丈夫でしょうか?

血中の老廃物が濾過できなくなる

腎臓は血液から老廃物を取り除き、尿として排出する臓器です。
慢性腎臓病になると、糸球体と呼ばれる老廃物を取り除く組織が壊れ、十分に濾過できなくなります。すると、尿に漏れないはずのタンパクが混ざるようになります。
なお、老廃物を濾す糸球体は一度損傷すると、正常には戻りません。

慢性腎臓病の原因は多岐にわたりますが、次の要因が挙げられます。チェックしてみましょう。

あなたの腎臓は大丈夫?

慢性腎臓病は初期段階では、ほとんど症状が現れません。しかし、進行すると透析が必要になるだけでなく、脳卒中や心筋梗塞が起こりやすくなります。
慢性腎臓病の原因となる糖尿病や高血圧は動脈硬化を悪化させ、循環器系疾患を引き起こすためです。さらに、慢性腎臓病になると血管が硬くなり、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まります。

腎臓の機能低下は、血液に老廃物が混ざるだけでなく、ミネラルバランスも崩します。問題なのがリンで、血中に増えるとカルシウムと結びつき、血管に沈着して硬く脆くしてしまうのです。
慢性腎臓病が進行すると、腎臓の機能が低下して老廃物と余分な水分が蓄積し、だるさや食欲不振のほかに頭痛、吐き気、むくみ、動悸、息切れ、高血圧、貧血、骨粗鬆症などが現れます。

検査は簡単です

腎臓の機能を維持するためには、早期の治療が不可欠です。
慢性腎臓病は、主に「尿検査」と「血液検査」で早期に発見できます。
タンパク尿か血清クレアチニン値のいずれか一方でも異常があれば、慢性腎臓病と診断されます。見逃さないために、両方の検査を受けましょう。
尿検査
「尿のタンパク質」をチェックします。


慢性腎臓病では、血液を濾過する糸球体が壊れ、尿からタンパクが検出されます。
タンパク尿値が「1+」以上の場合、慢性腎臓病が疑われます。「−」は正常です。その中間の「+−」は経過観察となります。

次回は血液検査の見かたと最新の治療法についてです。

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