毎日の食事に、たんぱく質は足りていますか?
「肉も魚も大好き!」「肉ばっかり食べてるから、むしろたんぱく質を摂りすぎ?」と思う方もいるでしょうが、意外なことに「日本人のほとんどはたんぱく質が不足している」という報告があります。
たんぱく質不足は、老化や内臓の機能低下など、さまざまな不調の原因です。
そこで今回は、たんぱく質の働きや効率よく摂取するための方法をお伝えしていきます。たんぱく質の不足度を簡単に調べられるセルフチェックもありますので、ぜひ、試してみてくださいね。
– 目次 –
日本人の約8割がたんぱく質不足
たんぱく質不足は万病のもと
たんぱく質足りてますか?
たんぱく質は一食ずつ適量を補おう
朝のたんぱく質はいいこといっぱい
たんぱく質不足におすすめの食材とは
日本人の約8割がたんぱく質不足
出典:たんぱく質平均摂取量は厚生労働省「国民健康・栄養調査 栄養素等摂取量」、目標量は「日本人の食事摂取基準2020年版・たんぱく質の食事摂取基準」より抜粋・改変。
厚生労働省が調査した結果、生活習慣病予防のために摂取すべき目標量のたんぱく質を日本人の約8割は摂取できていません。
現実的には、ほとんどの人がたんぱく質を摂っているつもりで十分に補えていないのです。
たんぱく質不足は万病のもと
「たんぱく質は筋肉をつけるために大切」と思っている方も多いと思います。しかし、たんぱく質は筋肉だけに役立つわけではありません。
わたしたちの体は、約60兆個の細胞からできていると言われていますが、このすべての細胞を作るための材料がたんぱく質です。
細胞は古くなると新しい細胞に生まれ変わるターンオーバーを繰り返しています。しかし、たんぱく質が不足していると新しい細胞の材料が足りなくなってしまいます。その結果、細胞のターンオーバーがうまくいかず、細胞は老化したままに…。
全身の老化や機能低下、不調を招く原因になってしまうのです。
たんぱく質足りてますか?
□ 食べた物に関係なく、頻繁にお腹がゴロゴロしたり張ったり、下痢をする。
□ おならがくさい。
□ 太りやすく、ダイエットしてもなかなか体重が落ちない。
□ 髪の毛がパサついている。
□ 腰痛や肩こりがつらい。
□ 疲れやすく、疲れがなかなか取れない。
□ 日中は眠いのに、夜寝つきが悪い。
□ 風邪が治りにくい。
□ イライラしがち。
□ わけもなく、やる気が出ない。
3個以上当てはまる人はたんぱく質不足かも?
消化吸収を促す体内の酵素は、たんぱく質から作られています。そのため、たんぱく質が不足すると消化不良が起こり、おなかの調子が悪くなったり、おならが臭くなったりします。
また、美容面でもたんぱく質が活躍しています。髪の毛もたんぱく質でできていますし、たんぱく質不足による代謝の低下は太りやすくなる原因です。
さらに、たんぱく質はセロトニンやドーパミンといったホルモンの材料にもなっています。なかでも幸せホルモンと呼ばれているセロトニンが不足すると気持ちが不安定になったり、セロトニンから作られる睡眠ホルモンのメラトニンが不足し、睡眠リズムにも影響します。
たんぱく質は一食ずつ適量を補おう
たんぱく質の一食当たりの摂取目安は上のとおりです。
たんぱく質は体内に蓄えておくことができません。多く摂ったからといって、筋肉がたくさん増えるわけでも、多くの細胞が若返えるわけでもありません。
一度に利用できるたんぱく質は多くても40gと言われています。仮に、大量のたんぱく質を摂取しても、「マッスルフル」という状態になり、たんぱく質が利用されません。余ったたんぱく質はエネルギーになったり、体脂肪に変わって蓄えられます。
また、一食の摂取量が少なすぎても、たんぱく質を合成させる体内のスイッチが入りません。その結果、たんぱく質は筋肉や細胞の材料にはならずに、エネルギーとして消費されてしまいます。
朝のたんぱく質はいいこといっぱい
朝こそ、たんぱく質をしっかり摂ることが大切です。前日の夕食から朝食まで、かなり時間が長いため、身体はたんぱく質を求めています。
しかし、朝はパンとコーヒーやスムージーで済ませてしまうという人や、朝食は食べないという人も多いようです。1日3食の中で、たんぱく質の量が最も少ない食事が朝食だとも言われています。
また、朝食をパンやおにぎりなどの糖質だけで済ませてしまうと、血糖値が急上昇してしまいます。朝食後に高血糖の状態になると、午後も高血糖の状態が続きやすくなるなどの血糖値の乱高下を招きます。
朝食は、低糖質高たんぱくの食事がおすすめです。そこで、朝こそしっかりたんぱく質を摂り入れるよう心掛けてみてください。血糖値の急上昇を抑えることに加え、たんぱく質から生み出されたエネルギーで体温が上昇し体の冷えも撃退できます。
たんぱく質不足におすすめの食材とは
たんぱく質不足解消におすすめなのが、「たまご」と「納豆」です。
たまご1個は、約6gのたんぱく質に加えビタミンDやビタミンB類を含んでいます。半熟卵や温泉卵にすると消化しやすく、食欲がないときにもおすすめです。オムレツやかきたま汁など、さまざまな料理にアレンジしやすいので、ぜひ毎日の食生活に摂り入れましょう。
納豆1パック(50g)には、約8gのたんぱく質が含まれています。水溶性と不溶性の食物繊維も豊富で、腸内環境にも良い影響を与える優秀な食材です。納豆は常温に5~10分ほどおいてから食べると、納豆菌の働きが活発になり栄養の吸収が高まります。
もちろん、「たまご」と「納豆」だけでは、十分なたんぱく質を補えません。肉や魚、野菜類といったバランスの良い食事に「たまご」や「納豆」をプラスして、たんぱく質の摂取量を底上げしていきましょう。
こんにちは、健康管理士・腸内環境管理士の中谷です。三姉妹の母で、毎日にぎやかに過ごしています。楽しみは美味しいお酒と観葉植物を育てること。美酒を作る発酵の力と、植物が持つ癒しのパワーを日々実感中です。植物で大切なのは根っこですが、人間にとっての根っこは腸。腸にまつわるお話や、健やかに過ごすヒントなどをお届けします。ぜひ、ご一読いただければ幸いです。