コラム

【腸活】薬に頼らずアレルギー撃退!育菌で腸内環境を整えよう

鼻のムズムズやクシャミ・鼻水、目・皮膚のかゆみなど、アレルギー症状に悩まされる方も多いのではないでしょうか。私も30年以上、ひどい花粉症とハウスダストアレルギーなので、春先や衣替えの時期は特に憂鬱になります。

ところで、花粉症やアトピーなどのアレルギー疾患が、私たちが持つ免疫機能と深く関係していることをご存じの方も多いのでは。この免疫機能は腸内環境や腸の細菌バランスが大きく影響しています。

そこで今回は、腸と免疫機能との関わりや、薬に頼らなくてもアレルギーに対抗できる体質改善のヒントなどをご紹介していきます。

 

年々増え続けるアレルギー疾患

アレルギー疾患のひとつ、花粉症の有病率を2019年に厚生労働省が調査したところ、42.5%の人が花粉症で、この10年間で10%も増加していることが分かりました。

スギ花粉症に限定しても38.8%となっており、いまや3人に1人はスギ花粉アレルギーという結果に…。

参照:鼻アレルギーの全国疫学調査2019 

この結果は、さまざまなアレルギー疾患があるなかの氷山の一角にすぎません。花粉症や食物アレルギーを始め、さまざまなアレルギーで悩む人は今後も増え続けることが予想されます。

免疫機能の暴走を抑えるためには

本来、スギ花粉やほこりなどは、私たちの体にとってそれほど有害なものではありません。しかし、体内の免疫機能が暴走していると、有害でない物質まで異物として攻撃し、炎症などを引き起こします。

免疫機能を正常に働かせるためには、異物を攻撃する「T細胞」と、そのブレーキの役割をする「制御性T細胞」のバランスを整えることが大切。このバランスに一役買っているのが、腸内細菌が生み出す「短鎖脂肪酸」です。

短鎖脂肪酸を生み出す菌が多い良い腸内環境だと、制御性T細胞がT細胞の暴走を食い止め、アレルギー症状を抑えます。

反対に、腸内環境が悪化し短鎖脂肪酸を作る菌が減少するとブレーキ役の制御性T細胞も減り、増えすぎたT細胞が体に有害ではない物質にまで過剰に攻撃してしまうことでアレルギー症状を招いているのです。

免疫細胞と短鎖脂肪酸についてはこちらの記事でも紹介!
免疫ケアと腸

 

腸内環境を整え体内で短鎖脂肪酸を作ろう

短鎖脂肪酸を作るために、まず腸内環境にいるビフィズス菌を増やし、活性化させましょう。そのためには、ビフィズス菌だけを多く摂ったり、食物繊維ばかりを食べているのではなく、どちらも取り入れるのが大切です。

①積極的にビフィズス菌を摂る

外から取り入れたビフィズス菌は腸内に定着しにくいと言われていますが、ビフィズス菌が生きたまま腸に届けば、体内にいる間はもともと棲み付いているビフィズス菌と一緒に働きます。

さらに複数のビフィズス菌を補えば、ビフィズス菌が生み出す短鎖脂肪酸の種類が増える可能性もあります。

②ビフィズス菌の好物もしっかり摂取

ビフィズス菌のエネルギー源となる水溶性植物繊維やオリゴ糖、水溶性食物繊維と似た働きを持つレジスタントスターチを含む食品を摂取することもポイントです。エサが不足するとビフィズス菌がしっかり働けません。

ビフィズス菌の好物
オリゴ糖・・・バナナ・たまねぎ・はちみつ
水溶性食物繊維・・・海藻類・寒天・リンゴ・みかん・大麦・里芋
レジスタントスターチ・・・冷たいご飯・玄米・オーツ麦

適度に細菌と触れた方が花粉症になりにくい

日本で初めてスギ花粉症が確認されたのは1963年。当時の日本は衛生への関心が高まっており、これ以降、花粉症以外のアレルギー疾患も急増しています。衛生的な環境がアレルギーに影響している可能性が考えられます。

2009年に理化学研究所は発表したこどもが花粉症にならないための条件を提示した「花粉症にならないための9か条」では、適度に細菌に触れる機会があるほうが花粉症になりにくいことが分かります。

こどもだけでなく、健康のために細菌とのかかわりを意識したいもの。参考にしてみてください。

花粉症にならないための9か条

①生後早期にBCGを接種させる。
②幼児期からヨーグルトなど乳酸菌飲食物を摂取させる。
③小児期にはなるべく抗生物質を使わない。
④猫、犬を家の中で飼育する。
⑤早期に託児所などに預け、細菌感染の機会を増やす。
⑥適度に不衛生な環境を維持する。
⑦狭い家で、子だくさんの状態で育てる。
⑧農家で育てる。
⑨手や顔を洗う回数を少なくする。

出典:理化学研究所 免疫・アレルギー科学総合研究センター発表「花粉症にならない9か条」

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