じめじめジトジトの天気が続く梅雨は、石でも背負っているかのように体が重く、やる気がおきなくなってしまう。外出するのもおっくうで、家でゴロゴロしていたら一日が終わっていた・・・。なんてことが続いていたのが以前までの私です。倦怠感に加え、お腹も下しやすくなっていました。同じ体質で困っている方、おすすめの食材をご紹介するので、この時季は積極的に摂ってみてくださいね。
梅雨期に起こりやすい症状
日本には四季がありますね。季節は4つに区切られますが、食養生のベースとなる陰陽五行説は、1年を五季にわけて考えています。
東洋医学では高温多湿の季節を『長夏』と呼び、日本ではそれが梅雨にあたります。
梅雨の時季は病を招く外的要因『六淫』の【湿】が強く働き、湿邪となって体の不調を引き起こします。取りいれた水分は脾(胃腸機能)から腎に送られ、汗や尿となって体外に排出されますが、湿度が高い環境では体の水分代謝機能がうまく働かないうえに、胃酸を薄めて吸収を妨げてしまいます。そのため、むくみや下痢、胃もたれ、食欲不振や倦怠感などのやっかいな症状となって体に現れていくのです。
脾は冷えると活動を弱めてしまいます。天気はどうすることもできませんが、体の中心部をあたためる食事を心がけるようにすることで、梅雨の不調を乗り越えることができますよ。
なぜ雨が続くのか?
梅雨って、そもそもなんでしょう?5月下旬頃から7月上旬頃まで、梅雨前線という東西に伸びる前線が南側と北側の間につくられることによって生じる現象ですが、じつは東アジア(朝鮮半島や中国南部)だけにみられます。
梅雨のあいだのイヤ~な症状に悩まされるのも、世界でみるとごく一部だけ。
そして、日本でも梅雨前線がこない都道府県があります。それは北海道。本州で発達した前線は、北海道に到達する前に消えていくので、道民のみなさんは梅雨に現れる症状を感じる方が少ないそうです。梅雨がない、ご飯が美味しい、ニセコのゲレンデ…。すっっっごく、うらやましいっっっ!!梅雨に体調を崩しやすい&ウィンタースポーツ大好きな私には、まるで天国のような場所です。
梅雨の体を支える食材4選
梅雨は【湿】の影響を受けて機能が低下した【脾】を助ける食材を、積極的に取り入れましょう。
むくみや下痢、胃の不快感は湿が身体の気血の巡りを悪くしているのが原因です。気血の循環を良くして、余分な湿を排出する食材を食卓に並べていきましょう。
– 梅雨の体を支える食材4選 –
そらまめ【甘・平】
・胃腸の働きを促進
・むくみをとり去る
・止血する
・血圧を下げる
・気力を充実させる
うど【苦・温】
・体内の湿気を除く
・冷えの改善
・風邪の諸症状をやわらげる
えんどう豆【甘・平】
・血行を良くする
・気を補う
・消化を促進する
・尿の出を促す
・解毒する
あさつき【辛・温】
・気を鎮める
・消化を促進し、食欲を増進する
・血糖値の上昇を抑制する
・高血圧を予防
そらまめと海老の炒めもの
【材料】
そらまめ さや付き500g
むき海老 150g
おろし生姜 少々
塩こしょう 少々
油 小さじ1
しょうゆ 大さじ1/2
酒 大さじ1/2
【作り方】
①海老は殻と背ワタを取り除き、おろし生姜と塩こしょうで下味をつけておきます。そらまめはさやから取り出して薄皮を剥いでおきましょう。
②フライパンに油を入れて中火で熱し、そらまめを入れて弱火と中火の間くらいまで火を落として片面1分半ずつ炒めます。
③そらまめを端に寄せ、海老も炒めていきます。海老を炒めている間も、そらまめを時折転がして焦げないよう気をつけましょう。
④海老全体の色が変わって火が通ったら、酒としょうゆを加えてサッとフライパンを振って混ぜ合わせれば完成です。
梅雨は湿が体内に侵入し、体の不調をもたらしやすくします。重要になるのが水分を上手に排出すること。中国には衣類補類(養いたい臓腑と同じ臓腑や似た形状のものを用いて補う)という考えがあります。尿をつくる腎臓に似た『そらまめ』は、腎の働きを活性化して水分代謝を高めてくれます。
生活でとり入れたい5つのこと
梅雨の体調不良の改善・対策には、食事だけでなく生活リズムを整えることも欠かせません。
起きているときは交感神経が、寝ているときには副交感神経が優位に働くように、日頃から生活リズムを整える習慣を心がけましょう。
①朝起きたらカーテンを開けて体内時計をリセット
朝、日光を浴びることで、自律神経が交感神経に切り替わります。「よく寝たー!」という熟睡感には、自然な眠りを誘うメラトニンの分泌が必要不可欠です。太陽の光を浴びると、メラトニンの原料であるセロトニンが分泌されるので、夜は自然な眠りにつけますよ。
②朝食はしっかりとる
梅雨期の体を支える食材をつかった副菜を常備して、朝食にだすのもいいですね。ごはんなどの主食は勉強や仕事に集中できるエネルギー源となるので、忙しい朝でもしっかりと確保しておきたい時間です。
③日中の運動
運動は自律神経の調整機能を高めます。梅雨期は体に水分をため込みやすい傾向がありますが、むくみなどのさまざまな体調不良も改善させる効果があります。
④湯船にゆっくりつかってリラックス
ぬるめの湯船にゆっくりつかって新陳代謝を高めましょう。一日の疲労や溜まった老廃物を排出しやすくします。42度以上の熱々の温度が好きな方、交感神経が活発になって夜の睡眠に影響がでてしまうので要注意です。
⑤寝る前は目元を温める
眠気は深部体温が下がって皮膚体温が上がると起こりやすくなります。就寝前に目元を温めると血行がよくなり、手足の皮膚温度があがるのでスムーズに入眠できますよ。
いきなりすべてを実践しようというのは難しいかもしれません。ちょっとずつ、今までの生活リズムにとりいれてみてくださいね。
こんにちは、健康管理士の柴田です。小学生の息子はスナック菓子大好き盛り。そうなると、食事での栄養バランスがより一層体をつくる要になっていきます。我が家での食事で気をつけている点、旬の食材をつかったおすすめの料理と、お役立ち情報などを発信できればと思います。