コラム

驚きのミトコンドリア!

ミトコンドリアというと、「ミ・ド・リ」の文字が含まれているからでしょうか、ミドリムシという微生物が思い浮かびますね。
じつはミトコンドリアとは、私たちの身体のすべての細胞に100個〜3000個も存在する小器官。酸素をエネルギーに変えてくれるという有難~いお方です。
これがないと、私たちは生きていけません。今回はそんなミトコンドリアが、私たちの体の中で、どんなはたらきをしているのかをご紹介していきます。

最大のはたらきはエネルギーの生産

私たちが食事をすると、食事に含まれる栄養素は消化され血流に乗って、体内を巡り、さまざまな代謝を受けます。その結果、三大栄養素と言われる「脂質」「糖質」「たんぱく質」はそれぞれ、「脂肪酸」「ブドウ糖」「アミノ酸」となって、ミトコンドリアの中でさらなる代謝を受けるのです。
これらの栄養素がミトコンドリアに届いたとき、酸素と反応しATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれるエネルギーとなります。
ATPというと、馴染みがないですが、このATPこそが、私たちの心臓や神経の伝達、そしてあらゆる活動のエネルギーの大元となっているのです。

ミトコンドリアの起源と酸素を使う生物のはじまり

ではそんなミトコンドリアがどのようなルーツを持っているのかにも、少し触れてみましょう。

太古の昔、まだ現在の生態系が出来上がっていないころ、生物にとって酸素は猛毒でした。私たちは酸素がなければ死んでしまうので、ちょっと信じられませんよね。
酸素は猛毒ではあったものの大気中で存在しており、ミトコンドリアの祖先だった生き物がその酸素を使い始めたのです。

やがて植物(藻類)が地球上に増えていき、それに伴い大気中の酸素が増加していきました。そのため酸素を猛毒としていた生物は死に絶えました。しかし、酸素を利用できるミトコンドリアを細胞に取り込むことに成功した生物もいたのです。これが私たちの遠い祖先ということですね。

ミトコンドリアのもう一つの重要な働き

そんな偉大なミトコンドリアには他にも重要なはたらきがあります。それは、アンモニアを尿素にするというはたらきです。
アミノ酸が分解されエネルギーとなるには、さまざまな物質が合成されますが、その過程でアンモニアも作られます。このアンモニアを無毒化するのは肝臓の役目ですが、アンモニアを比較的無害な尿素にする際には、ミトコンドリアの中と外を出たり入ったりするのです。ちなみに尿素を合成するためには酵素が使われます。

私たちの体にかかせないミトコンドリア。抗酸化成分をしっかりとって、元気に活動してもらいましょう!

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