SNSで話題の“シンデレラ体重”という言葉、耳にしたことありませんか。
モデルのように美しく見える体重が理想の見た目と、医学用語でなく大手エステサロンが広めた概念が、多くの女性が目指す指標となっています。
しかし痩身美容をビジネスとする業界から提唱された指標が、本当に理想的といえるのでしょうか。
BMIとは?
シンデレラ体重を知るために、まず「BMI」について知っておきましょう。
ベルギーの統計学者アドルフ・ケトレーによって1835年に開発されたBMIは、Body Mass Index(ボディ・マス・インデックス)の略称で、肥満度を表す体格指標として世界共通で用いられています。
BMIの計算式は「体重kg ÷ (身長m )2」。
体格指数は体重と身長がわかれば簡単に測定できます。つづいて適正体重(標準体重)を計算してみましょう。
日本肥満学会ではBMIの値を「22」とし、統計的に最も病気になりにくい体重としています。
適正体重の計算式は「体重=(身長m )2×22」 。身長150㎝の人の場合は49.5kgが健康的な体重となります。
やせすぎといわれる日本女性
日本は食糧事情が安定した先進国では珍しく若い女性の体重が減り続けています。2019年に実施した国民健康・栄養調査では、20代の5人に1人がBMIの「やせ型」に該当しました。これは過去20年以上にわたり同様の結果です。
シンデレラ体重では理想的な体格指数BMIを「18」とうたっています。 身長150㎝の人だと40.5kg。日本肥満学会が示すBMIよりも約10kgも低い数字です。
成人女性が1日に必要とする摂取カロリーは1600〜2200kcal。やせすぎの人は摂取量が少ないことから、将来の骨粗しょう症の危険や妊娠する力の低下など、健康リスクが脅かされると指摘されています。
やせているのは本当に美しいの?
美を演出するモデル業界では、「やせていることは美しい」と判断されてきました。
しかしこの価値観が多くの人を追いつめ、時には命さえをも奪ってしまった事実があります。ファッションモデルとして活躍したアナ・カロリナ・レストンさんは、求められる体型を維持しようとした結果、摂食障害を患い21歳の若さで死亡しました。
亡くなったときの彼女の体重は174㎝でたったの40 kg。BMIでみるとわずか13.2。とても人間が健康でいられる数字ではありません。
「美を追求するための過激なダイエット」このあり方を変えるため、世界トップのブランドは「やせすぎのモデルは使わない」と宣言しました。
やせすぎがもたらす健康被害
生理不順や不妊リスクの上昇
体重を落としすぎると女性ホルモンのバランスを崩し生理不順を引き起こし、妊娠や出産に悪影響を及ぼす恐れが。また体脂肪率が低ければ低いほど、無月経になりやすい研究結果もでています。
冷えや免疫力の低下
やせると同時に筋肉量も減ります。筋肉量は基礎代謝と比例するので、冷えやすくなり血流に悪影響をあたえます。さらに免疫力を低下させ、ウイルスや細菌を退治できないので疲れやすかったり風邪を引きやすくなります。
肌荒れの原因に
栄養不足から肌の潤いやハリが失われ、ニキビや湿疹などの肌トラブルの原因に。さらに髪も抜けやすくなりもろくなります。
死亡率の増加
体重を減らし続けると摂食障害になる危険性があると精神科医も警鐘を鳴らしています。BMIが19~20.9になると死亡リスクが1.2倍、18.9以下になると女性では1.6倍、男性では1.8倍にまで跳ね上がります。
BMIの数値はあくまでも指標のひとつ。やせすぎは決して魅力的ではありません。シンデレラ体重までやせるのではなく、たっぷりの栄養と運動をして健康的な体型を心がけてみてはいかがでしょうか。
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