コラム

ダイエットを助けてくれる〇〇とは?

食事制限や運動をがんばっていてもなかなか痩せない…という悩みを持っている人も多いと思います。かくいう私も、ダイエット歴はウン十年でありながら、体形が丸くなる一方…。
実は、ぽっちゃりした人とスリムな人では、ある腸内細菌の割合が違うと言われています。

今回は、ダイエットを助けてくれる腸内細菌や、意外な食材についてお伝えしていきましょう。

太らせ菌とやせ菌ってほんとにあるの?

日和見菌の一種「ファーミキューテス」と「バクテロイデス」という細菌グループは、ヒトの体形に大きく影響していることが最近の研究で明らかになっています。

別名「太らせ菌」とも呼ばれているファーミキューテスは、この割合が多くなると肥満になりやすいと言われています。この菌は、普通なら栄養として吸収できないような食物繊維まで分解するのが特徴です。痩せにくい人の場合、ファーミキューテスが、ダイエットを邪魔している可能性も……。

ぽっちゃりした親子が「遺伝だからね~」なんて話しているのを聞いたことがありますが、ひょっとしたら遺伝じゃなくて腸内環境が受け継がれているせいなのかもしれません。
生まれたばかりの赤ちゃんの腸は無菌状態ですが、周囲の人と接触することでさまざまな腸内細菌が取り込まれます。そのため、赤ちゃんに最初に触れた人間や両親の腸内細菌のバランスに似てくると言われているのです。

なお、いくら食べても太らないやせ型の人の腸内細菌は「バクテロイデス」の割合が多いそうです。現在、痩せている人の便を肥満の人に移植して肥満を改善する方法が研究されているそうで、近い未来に実用化される日がくるかもしれません。

ちなみに、アメリカでは、太った産科医が取り上げた赤ちゃんは、肥満になるケースが多いというデータもあるんです。体形が遺伝ではなく、取り上げられたお医者さんと似てしまうなんて、ちょっとショッキングなお話ですよね。

長寿型腸内フローラには「究極のやせ薬」が!

近年の研究で、日本人の腸内フローラには外国と比べてビフィズス菌が非常に多いことが明らかになってきました。また、日本の中でも100歳以上の長寿者が多い京都・京丹後市に住んでいる長寿者の腸内には、ビフィズス菌に加えて「短鎖脂肪酸」である「酪酸」を産生する腸内細菌がとても多いことが分かっています。

短鎖脂肪酸は「酪酸」「酢酸」「プロピオン酸」などの総称です。短鎖脂肪酸は体を健康に保つために以下のようなさまざまな働きをしています。

まず、酪酸は免疫の最前線ともいえる大腸粘膜を丈夫に保っています。そのため酪酸不足になると、病原菌やウイルスなどが体内に入り込みやすくなってしまいます。また、酪酸はアレルギーを抑える制御性T細胞という免疫細胞を増やす働きもあり注目されています。

つづいての酢酸は、腸の蠕動運動を促して便秘を抑えてくれます。また、大腸粘膜の血流を増やす働きもあります。

最後のプロピオン酸は「究極のやせ薬」として専門家が注目している短鎖脂肪酸です。体内に吸収されたプロピオン酸は、肝臓で代謝され血液中のコレステロールを減少させます。また、アレルギー症状を抑える働きや、旺盛すぎる食欲を抑えることも確認されているのです。

冷えたご飯で健康に痩せる⁉

腸と体を健康に保つためにも、腸内の短鎖脂肪酸を増やしたいですよね。

そこで短鎖脂肪酸を産生する腸内の善玉菌を増やすために、注目してほしい意外な食材が「冷えたご飯」です。

「糖質のごはんが冷たくなっただけでダイエット食材になるの?」と信じられない人や「糖質オフでダイエット中だからごはん抜き」という人もいると思います。

ところが、ご飯は4~5°Cまで冷えると「レジスタント・スターチ」という消化されにくいでんぷんが圧倒的に増えます。つまり、冷蔵庫に入れたご飯にはレジスタント・スターチがたっぷり。

レジスタント・スターチは胃腸で消化されにくく、食後の血糖値の上昇をゆるやかにし、糖尿病や肥満の予防、改善に役立ちます。しかも、腸内にいる善玉菌のエサになり、短鎖脂肪酸を増やし腸内フローラを若返らせます。

冷蔵庫で1時間ご飯を冷やすと最もレジスタント・スターチが増加すると言われていますが、常温程度に冷えたご飯を食べるだけでも、一定の効果を期待できます。

実は私も、最近の昼食は冷えたご飯のおにぎりを食べるようにしていて、すこしスッキリしてきた気も…(誰にも気づかれていませんが)。

ごはん抜きダイエットよりも、腸内の短鎖脂肪酸を増やす「冷えたご飯」に注目して、腸内環境の改善を目指してみるのもいいかもしれませんね。

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