今日のオシッコは、何色でしたか?
尿には便と同様、あなたの健康情報がたくさん含まれています。毎日数回は訪れるトイレタイムで、「身体からのサイン」を見逃さないようにしましょう。
尿は150リットル中の1%!
全身を巡った血液は、腎臓の糸球体と呼ばれる場所でろ過され浄化されます。その量は1日150リットル、一般家庭の浴槽一杯分に匹敵します。
そのうち99%は再び腎臓の器官で再吸収されて血液に戻り、実際に尿として排出されるのはわずか1%の1.5リットル。摂取した水分量にもよりますが、体重1㎏あたり1時間に1mlの尿が作られています。
膀胱の容量は成人で約500ml。200~300ml溜まると尿意を感じるそうです。
排尿に30秒かかると膀胱の機能低下のサイン
排尿の時間についてアメリカの研究チームがイグノーベル賞で、「体重が3キロ以上の哺乳類なら、ほとんどの動物が排尿にかかる時間は約21+−13秒である」。
つまり人や犬、象でも8~34秒で用が足し終わると発表しています。
私も計ってみたのですが、出始めから終わるまで18秒でした。順天堂大学の堀江医師と旭川医科大学の松本成史教授の研究チームが21歳〜94歳の男女に対して行った調査でも、排尿時間は男性20~40代、女性20~60代で21秒前後となり、70代以降、年齢とともに長くなる傾向がみられました。
体調や飲んだ水分量でも変化しますので、1~2回長かったからといって神経質になることはありません。
しかし急に時間がかかるようになったら腎臓や膀胱、前立腺の病気を疑いましょう。
手軽にできる健康チェックとして、ご自身の排尿時間を測ってみてください。
元は一緒 尿と便の色
体外に排出された尿は黄色っぽい色をしていますね。
便も健康な人ならば黄色~茶褐色しています。この2つの色の元になるのが血液に含まれるヘモグロビン。
この成分は脾臓と肝臓で分解されたあと、胆汁の主成分である黄色いビリルビンとなって腸に排出されます。これが便の色の正体。
尿の色は、腸に排出されたビリルビンが腸内細菌によって分解され、血液に再吸収されたものが薄い黄色として反映されています。
ヘモグロビンの分解は常に一定なので、尿の色の成分も同じペースで作られます。そのため健康なら色に大きな差がありません。
でも実際は色の濃淡など、さまざまな変化がありますね。そこには身体からのメッセージが隠されています。
見る習慣を
健康な人でも食事や運動などで尿の色は変化することがあるため、必ずしも病気に結びつくとは限りません。
しかし日頃から尿を見る習慣をつけると病気の予防にもつながります。
尿は健康のバロメーター。しっかり確認してみてくださいね。
健康管理士の松渓(マッケイ)と申します! 若い頃はスキー三昧の日々を送っていましたが大ケガをして引退。そこから健康のありがたみに目覚めました。皆さまの日々の暮らしに「ちょっと役立つ」情報を随時発信していきますので、参考にしていただければ幸いです。
残念ながら、25年ほど健康関連の業界に身をおく私からすると、世にあふれる健康情報の中には「?」と首をかしげたくなる内容も。そのため、つい辛辣な言葉もでてしまうことがあると思いますが、どうかご容赦くださいませ。