
ご自身や家族が大病や大怪我をしたときに、果たして今の治療法でいいのだろうか?と悩むことがあるかもしれません。
勇気を出して『第2の意見』を求めてみませんか。
セカンドオピニオン、勘違いしていませんか?
最善だと思える治療を患者と今の主治医との間で判断するために別の医師の意見を聴くこと。それがセカンドオピニオンです。安易に医師を変えたり転院をする、いわゆるドクターショッピングとは違います。
同じ病気であちらの病院、こちらの診療所と重複して受診したり、渡り鳥のように次々と医療機関を変えハシゴする行為は問診、検査など無駄な医療を受けることになり、初診料など余計な医療費もかかり社会問題になっています。日本ではセカンドオピニオンの歴史が浅く、このような行為がセカンドオピニオンだと勘違いしている人がいます。私の身近にもたくさんいます……。
また、患者さんの中には「セカンドオピニオン」の話を切り出すと「主治医の気分を害するのではないか」「今後の治療に悪影響があるのではないか」と考え、不安を感じながらも今の治療法を受け続ける人が多くいらっしゃることです。
医師の本音はどうでしょう?
医師専用コミュニティサイト「メドピア」が現役の医師にアンケートした結果が下のグラフです。
不快に感じる、悪影響があると答えた『医師の皮をかぶった何者』はたった1割ほど。
文句を言ったりする医師は腕も治療方針にも自信がない、さらに言えば患者さんの気持ちがわからない人たちかもしれません。ドクハラとも言えますね。
ほとんどの医師は気にしておりませんし、なかには患者さんとより良好な関係が築けると好意的な意見もあります。ちなみに、私の父が緑内障で街の眼科にかかっていたとき、より設備の整った大学病院でセカンドオピニオンを受けてみては?と主治医よりアドバイスをいただきました。
ほかでもない自分の体のことです。もう一人の医師の意見もしっかり聞いたうえで納得できる治療を受けましょう。
主治医に相談するタイミング
セカンドオピニオンを主治医に相談するタイミングは「病名や治療方針の説明のとき」「病状に変化が見られないとき」です。
その際、ストレートにお願いするのではなく、「主治医が提案して患者が受け入れた」という形になる話し方がお勧めです。
例えば
①「先生の説明は理解しました。ただ、今は不安と恐怖で気持ちの整理がつきません。他のお医者さんの意見も参考にしながら、先生の元で治療をしていきたい」
②「先生、セカンドオピニオンということを雑誌で見たのですが必要でしょうか?」
など、家族と一緒に話せば「そうですね。聞いてみるのであれば紹介状を書きますよ」と話が進むでしょう。
その後に重要になるのが今の主治医の治療方針を本人や家族がしっかり理解すること。
医師の説明には専門用語が入りますので、ICレコーダーなど録音できるものを持って行くのがお勧めです。
隠し録りするのではなく『先生の話をきちんと理解し、家族と相談するために録っておきたい』と言えばこちらの本気度が伝わりますし、セカンドオピニオン先の医師にも伝えやすくなります。
現在の治療方針を理解したら、次の図をチェックしながら進めてみてください。
セカンドオピニオンを受けたら自分の考えを整理して主治医に報告します。
2人の医師の意見が一致している場合は、現時点での最善の治療であると考えられますので安心して治療に臨めますね。
一致しない場合、双方の治療法のメリットとデメリットを確認し、自身が納得いく選択をします。
判断に迷う場合は、看護師に相談するのも一つの手です。多くの患者さんと間近で接しているため、医師とは別の視点でアドバイスをしてくれます。
総合的な判断で、セカンドオピニオン先で治療を受けたいと思った場合、主治医にその旨を告げて、改めて治療内容や経過報告書とともに紹介状を準備してもらいましょう。
主治医は地元の病院であることが多く、病状が回復した後、地元で経過観察することもあります。
親身に相談に乗ってもらえるよう、主治医との関係をしっかり築いておくことが、ベストな治療法を受ける最善の道と言えます。
健康管理士の松渓(マッケイ)と申します! 若い頃はスキー三昧の日々を送っていましたが大ケガをして引退。そこから健康のありがたみに目覚めました。皆さまの日々の暮らしに「ちょっと役立つ」情報を随時発信していきますので、参考にしていただければ幸いです。
残念ながら、25年ほど健康関連の業界に身をおく私からすると、世にあふれる健康情報の中には「?」と首をかしげたくなる内容も。そのため、つい辛辣な言葉もでてしまうことがあると思いますが、どうかご容赦くださいませ。