
「アイタタタタ。また、いつもの片頭痛…。とりあえず痛み止めを飲んでおくか」
「この薬、何年飲みつづけてるんだっけ?飲み始めたことすら、もう思い出せない…」
こんなふうに、長期間、服用するのが習慣化している薬はありませんか?
実は、「西洋薬」(医療機関で処方されたり、薬局で販売している漢方薬以外の一般的な薬)の中には、長期間服用しつづけると、かえって体調を悪くしてしまう薬があります。
もし、ずっと飲みつづけている薬があるなら、薬の副作用や今の体調など、改めて確認してみた方がいいかもしれません。
「西洋薬」は治療薬ではない
「抗菌薬(抗生物質)」「痛み止め」「胃薬」「高脂血症薬」「降圧薬」「抗うつ剤」などの西洋薬は、病気を根本から治療するものではありません。
今ある症状を抑える「対症療法」の薬なので、薬を飲めば症状が和らぎます。そのため、一瞬、病気が良くなったように見えますが、病気の原因を取り除くわけではありません。薬の効き目が切れれば、また病気の症状が表れます。
病気に対抗するカギとなるのは、本来備わっている「自然治癒力」です。「西洋薬」はつらい症状を抑えながら、自然治癒力が発揮されるように治療をサポートします。
「西洋薬」で体のバランスが崩される
私たちの健康は、さまざまな臓器や細胞などの器官や私たちに棲み付いている微生物の働きなどのバランスで保たれています。
ところが西洋薬は、一部の体の機能だけを補ったり強化したり、反対に反応を抑えたりと、バランスに関係なく働くものがほとんどです。長期的に西洋薬を服用していると、体を保っているバランスにひずみができ、治療している病気以外にもリスクを招きます。
こんな薬は「長期服用」に要注意
薬局やドラッグストアで販売している薬にも注意が必要です。長期間の服用で体に悪影響を及ぼす恐れがあります。心当たりがあるようであれば、服用している年月と自分の健康状態を確認し、医師や薬剤師に服用を継続するべきか相談してみてもよいでしょう。
抗菌薬(抗生物質)
抗菌薬(抗生物質)は腸内の善玉菌まで殺菌し、腸内環境を破壊する恐れがある。腎臓や肝臓にも悪影響を及ぼす。
胃酸抑制薬
「プロトンポンプ阻害薬」と「H2ブロッカー」という胃薬がこれに当たる。胃酸の分泌を抑える薬ですが、胃酸が足りていないのに処方されるケースも。長期間の服用で胃酸が少ない状態が続くと、腸内環境の乱れや本来なら胃酸で殺菌されるはずの病原菌への感染などが懸念される。
痛み止め
つらい痛みを和らげるなど応急処置的な使用にはメリットがある。一方で、生理痛や頭痛、腰痛などの慢性的な痛みで常用し続けると腎臓や胃粘膜に障害をもたらす。血行を悪くすることで痛みを抑えているので、冷えや血流の悪化も招く。
高脂血症薬
悪玉と言われるLDLコレステロール値が高いとき、一般的に処方される「スタチン」という薬は要注意。LDLコレステロールだけでなくすべてのコレステロール値を低下させる。体内でコエンザイムQ10をつくれなくしてしまうため、コエンザイムQ10不足が起こりさまざまな病気を招く。
止めるときに注意が必要な薬
次にお伝えする薬は、飲みつづけない方がいいものの、すでに飲み始めている場合、やめるときに注意が必要な薬です。急にやめると大変危険なので、医師や薬剤師に相談せず、自己判断で勝手にやめることは絶対にしないでください。
降圧薬
「飲み始めたら一生飲み始めなければいけない薬」と言われているが、食事や生活を改善し、医師の指導のもと減薬していくことで健康を取り戻す人もいる。ただし、自己判断で勝手にやめることは大変危険。作用の違うさまざまな種類の降圧薬があるため、安全のために必ず医師に相談すること。
抗うつ薬
近年、安易に処方される傾向にある。一時的に「気が晴れた」ように感じるが、うつの原因を取り除くわけではない。長期服用後、急に減薬や断薬を行うとめまいや吐き気、不眠、知覚異常などの「離脱症状」や「リバウンド症状」が起こる。減薬は必ず医師との相談しながら行うこと。
自然治癒力の高め方
薬が必要のない体を手に入れるためには、自分が持っている自然治癒力を上げていくことが先決です!できるだけ薬を飲まないで済むのなら、それに越したことはありません。現在、薬を飲んでいても、自分で努力していくことで薬が不要になる可能性があります。
ぜひ、次に紹介する習慣で、自然治癒力を底上げして、薬要らずの体を目指しましょう。
腸を元気に保とう
消化吸収だけでなく、免疫力や精神的な疾患にも影響がある腸。消化されにくい加工食品や抗菌薬を避け、良質な食物繊維と発酵食品で腸内細菌を元気にしましょう。
肝臓・腎臓をいたわろう
肝臓と腎臓で薬を代謝するため、薬をのむほどこれらの臓器に負担がかかります。肝臓と腎臓の機能が低下していると副作用も出やすくなります。肝臓と腎臓をいたわるためにもアルコール・食品添加物・加工食品の塩分を控えましょう。
休眠・睡眠をしっかりとろう
体を回復させるのは睡眠中や休眠時。病気やケガのときはゆっくり休むことが基本です。「忙しいから薬でごまかす」というのは本末転倒ですよ。
適度に運動しよう
「運動しなきゃ」と気負う必要はありません。近所を散歩する程度でも大丈夫です。無理のない範囲で適度な運動を取り入れると、心身ともにリフレッシュできます。
食生活はバランスよく
肉類ばかりや、反対に野菜ばかりでたんぱく質が足りない食事など、栄養が偏っていると病気を招いたり、病気の回復を遅らせたりします。バランスの良い食事を心がけ、揚げものや粉もの、加工食品や甘い菓子類は控えましょう。
ミネラルをきちんと摂ろう
体の解毒作用や、体内の酵素の働きを高めるためにきちんとミネラルを摂りましょう。手軽に補うためにミネラルウォーターや、天然塩をひとつまみ入れた水やスープがおすすめです。
漢方・サプリメント・ハーブ・アロマ・鍼灸などを活用しよう
漢方を取り入れたい場合は医師や薬剤師に相談してみましょう。サプリメントは適正な価格で信頼できる会社のものを選びましょう。
薬に頼りすぎず上手に付き合おう
薬は、つらい症状を一時的にやわらげたり、危険な状態を回避してくれるメリットがあります。ただし、副作用や長期服用による弊害などのリスクもあるため、長い間飲まないようにしていくことが大切です。
痛み止めが手放せない人は、薬を減らせるように痛みの根本原因を探りつつ、アロマやハーブなど薬以外の方法を試してみるのもひとつの方法です。
「いつものように」処方されている薬を「なんとなく」つづけてきたけれど、必要性に疑問を感じるようなら勇気をもって医師に相談し、減薬への一歩を踏み出してみましょう。
こんにちは、健康管理士・腸内環境管理士の中谷です。三姉妹の母で、毎日にぎやかに過ごしています。楽しみは美味しいお酒と観葉植物を育てること。美酒を作る発酵の力と、植物が持つ癒しのパワーを日々実感中です。植物で大切なのは根っこですが、人間にとっての根っこは腸。腸にまつわるお話や、健やかに過ごすヒントなどをお届けします。ぜひ、ご一読いただければ幸いです。