前回は男性の不調の原因と男性ホルモン(テストステロン)の減少との関係についてお話しいたしました。
今回は男性ホルモンの減少が及ぼす影響と、男性の更年期障害=LOH症候群で注意すべき食生活についてお話しいたします。
テストステロンの低下=病気リスクが上昇!
テストステロンは精神面だけでなく、次の通り、身体面でも重要な役割を果たします。
体内で重要な働きをしている男性ホルモンが減少すると、生活習慣病のリスクが増加することがわかっています。
「中年太り」という言葉がありますが、その原因の一つがテストステロンの減少によるもの。
中性脂肪やコレステロールの代謝が低下し、内臓脂肪や皮下脂肪が増えることで生活習慣病である肥満や糖尿病、脂質異常症、高血圧などの疾病リスクが高まります。さらに、動脈硬化が進行することで心筋梗塞や狭心症、脳卒中など、命にかかわる病気の発症率も増加します。
これらのリスクを回避・軽減するためには、適度な運動を習慣化し、筋力を強化することが大切です。運動をすることでテストステロンの分泌が増加し、筋肉の成長を促すことが研究で示されています。
運動は健康と若々しさを保つ重要な要素といえるでしょう。
どこに相談・受診すればいいの?
「男性の更年期かも?」
と感じた時、かかりつけの病院がない場合、日本泌尿器科学会が認定した専門医のいる泌尿器科や、男性更年期やLOH(ロー)症候群の治療に力を入れている、メンズヘルス外来を受診するといいでしょう。
LOH症候群と診断された場合、症状に応じてホルモン補充療法や漢方薬を用いた治療が行われることがあります。
ただ、先述したように、テストステロンの低下は、精神的なストレスが影響していることが多くあります。症状だけを診てもらうのではなく、生活面でもアドバイスをしてもらうことが、症状改善の近道といえます。
食生活にも注意しよう
コンビニ弁当に注意
コンビニのお弁当に多用されている人工甘味料や添加物は、男性ホルモンに悪影響を及ぼすことがわかっています。利用するのは、ほどほどにしましょう。
ビール好きも危険!
ビールには、女性ホルモンに似たフィストロゲンが含まれているため、女性にはお勧めの飲み物ですが、男性の場合、テストステロンへの影響が懸念されます。飲み過ぎには注意しましょう。また、ビール以外のアルコールは適量であればテストステロンの分泌を促進しますが、過剰摂取は精巣の機能を低下させ、テストステロンの量を低下させます。何事もほどほどに。
日々の献立にひと工夫
日常の献立にお勧めなのは、抗酸化成分が豊富な玉ねぎなどのネギ類やキャベツなどアブラナ科などの野菜、必須アミノ酸を含む青魚や豚肉などです。献立を工夫して摂るように心がけましょう。
更年期状態になると、体内の活性酸素が増加します。酸化ストレスは細胞や組織をサビつかせ、老化や慢性疾患のリスクを高めます。
そこで重要な鍵となるのが抗酸化成分。
抗酸化成分は、テストステロンを作り出す精巣を活性酸素から守るだけでなく、酸化ストレスを軽減させ、男性ホルモンの低下を抑制することがわかっているのです。
ぜひ、季節の果物や旬の野菜を積極的に食べ、自信回復につなげてみてはいかがでしょうか。
健康管理士の松渓(マッケイ)と申します! 若い頃はスキー三昧の日々を送っていましたが大ケガをして引退。そこから健康のありがたみに目覚めました。皆さまの日々の暮らしに「ちょっと役立つ」情報を随時発信していきますので、参考にしていただければ幸いです。
残念ながら、25年ほど健康関連の業界に身をおく私からすると、世にあふれる健康情報の中には「?」と首をかしげたくなる内容も。そのため、つい辛辣な言葉もでてしまうことがあると思いますが、どうかご容赦くださいませ。