残念ながら、日本は「疲労大国」だといわれています。
文部科学省の疲労研究班の調査によると「日本人の60%がいつも疲れを感じている」というから大変です。
「過労死」「過労自殺」関連の報道を目にすることも多いですよね。
そこで、疲れない脳をつくるために役立つポイントを数回にわたってご紹介したいと思います。
疲労というのは、しっかり休み、よく眠れば解消できます。
ところが、よく眠れない。そして、朝がつらい。体が重い、やる気が湧いてこない……。
そんなことが続き、たまりかねて病院に行って検査しても、身体的異常は見つからない。場合によっては「慢性疲労症候群」と診断名をつけられ、睡眠薬を処方されたりして、「様子を見ましょう」ということになります。
「慢性疲労症候群」とは?
ところで「慢性疲労症候群」とはどんな病気なのでしょうか?
簡単にいえば、何が原因かわからない。けれど疲れがたまる、あるいは疲れが取れない、というものです。
なぜ、「何が原因かわからない」のでしょうか?
それは、疲労の原因が体ではなく脳にあるためで、「脳疲労」とも呼ばれています。
デジタル機器が脳を破壊
パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器の長時間の使用は脳を非常に疲れさせ、場合によっては脳を壊すほどの危険性さえ秘めています。
では、脳を疲れさせない、または疲れない脳をつくるには、どうすればいいのでしょうか?
三つの物質を脳から出そう
鍵となるのが「セロトニン」です。
これは、脳内の神経物質の一つで、感情や精神面、睡眠など人間の大切な機能を健全な状態にするために重要な機能を果たします。
セロトニンが不足すると、慢性的な疲労を感じるようになり、イライラしたり、不眠症になったり、果ては、うつ病になったりするケースがあります。
セロトニンを正常に合成・分泌させるには「太陽の光」をしっかり浴びて、「運動」をきちんと行うことが大切です。
たったそれだけで「脳疲労」が消えていき、気持ちが安定して元気が出てくるのだそうです。
「健全な心」「幸福をもたらす心」をつくるために、脳内の「オキシトシン」と「メラトニン」の合成を促す方法も後の記事で紹介しますので、楽しみにお待ちください。
ちなみに、オキシトシンは、癒しや安心感をもたらす脳内物質。メラトニンは、心地よい休息や眠りをもたらす脳内物質です。
運動習慣を身につけるには
「太陽の光を浴びて運動することが大切」とはあらゆるところで見聞きしますし、さまざまな本でもしきりに「デジタル機器に頼りすぎずに、太陽の光を浴びてよく運動しましょう」と書いてありますので、やはり大切な心がけのようです。
たとえば、通勤時に5分でいいから寄り道をして歩くなど、できることから始めてはいかがでしょう。
一方で、運動の時間を全く取れない方もいると思います。
車で通勤して、デスクワークで一日8時間以上も働く方にとっては、運動習慣を身につけるのは大変ですよね。育児があればなおさらです。
専業主婦です、というお客様からもよくお話を伺うのですが、「家事で疲れ切って運動なんか無理よ」とおっしゃいます。家事仕事は結構な運動量ですので納得。
でも、もし、ちょっと運動が足りないなぁ~と思われていたら、荷物が重くならない買い物前に、ちょっとだけ余分に歩いてみるのもよいかもしれません。
かくいう私も情けないことに、昼食時、お弁当を買ってきて、会社で食べて、その後自分の机でじ~っと過ごしています。
先輩は食後、しっかり30分は歩いているそう。ん~、見習わなくては。みなさまも、無理のない範囲で運動してみてくださいね。
デジタル機器が作業を複雑化する?
よく、「デジタル機器からは極力離れるべし」といいます。
ですが、パソコン操作の仕事が増え、ストレスは増すばかりですよね。本来、デジタル機器は、人の負担を減らしてくれるもののはず。
ところが、デジタルを介した作業や手続きを複雑化してしまい、非効率なのにも関わらず、「それこそが仕事だ」と主張する組織もあるようです。今のデジタル庁などが作るデジタル申告書への不満や、マイナンバーカード関連の不手際を見ると、作り手・提供側の未熟さだけでなく、手続きの複雑さが露呈していると思いませんか?
ストレスを無くすためにも、何事もシンプルにできる仕組みが反映される社会になるといいですね。
とにもかくにも、まずは、デジタル機器の使用を必要最低限にとどめることから始めていきましょう。